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それから、
屋外スケートリンクのある
商業施設まで車で
連れて行ってもらった。

隆二さんにスケート代や貸靴代を
支払ってもらって、ロッカーに荷物を入れる。



「ありがとうございます」



申し訳なさが顔に出ないように
笑顔でお礼を言うと、
隆二さんもうれしそうに笑って頭を撫でてくれた。

その撫で方が、
言いつけをちゃんと守って
賢くできたことを褒められたみたいで、うれしい。



ベンチに座り、スケート靴に履き替える。

紐の結び方が分からなくて途方に暮れていると、
先に自分の紐を手早く結んだ隆二さんが
私の前に屈み、綺麗な手で紐を結んでくれた。

その手つきも淀みなくて、
隆二さんは器用なんだなぁと思う。



「立てる?」

「自信ありません……」



刃の薄いスケート靴を履いた状態で、
立ったり歩いたりする自信はない。

そう言うと、可笑しそうに笑った隆二さんが
私の体を引っ張り上げてくれた。

こけるのが怖くて隆二さんにしがみつくと
背中をポンポンしてくれる。



「大丈夫だから。
腕持っていいから、自分で立ってみて」



怖かったけど、隆二さんの両腕を掴んで
自分の足で立ってみる。

だけど足がわなわな震えて、
全くバランスを取れない。



「分かった、じゃあ掴まってていいから。
ゆっくり行くよ?」

「あっ待って怖い、こけるこける」



隆二さんが動くと
バランスを崩してこけそうになってしまう。

慌ててしがみつくと、
隆二さんは声を上げて笑った。



「じゃあくっついたまま行こっか」



そう言った隆二さんが、
私に背中を向けておなかに腕を回させた。

私が後ろから抱きついたような格好で
一歩ずつゆっくり進む。

ふつうなら人前でこんなにくっついて
恥ずかしいと思うところだけど、
怖いということで頭がいっぱいになって
隆二さんから離れられない。

リンクの出入口の近くまで来た時、
このままリンクに入るのが怖すぎて
思わず隆二さんを引き止めてしまった。

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設定タグ:三代目JSoulBrothers , 今市隆二 , 登坂広臣   
作品ジャンル:恋愛
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なつめ(プロフ) - Koiru*さん» 何度も読み返してくださりありがとうございます!自分で書いておきながらなんですが私もマドネスの隆二くん大好きです♪歌で告白してくれるとかめっちゃいいですよね!ほんと近場にいないかなぁー笑 (2019年4月15日 20時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
Koiru*(プロフ) - やっぱり、マドネスの今市さん素敵。何度読み返しても、キュンキュンします。良いなぁ、こんな人が目の前に現れてくれないかなぁ。と思う日々です。 (2019年4月15日 11時) (レス) id: c51d9e3401 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - Koiru**RHT名前変えましたさん» 私にやられそうですか?笑 移行してからもやっちゃいますよー!続きもお付き合いいただけるとうれしいです♪ (2018年12月5日 16時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - Tomoさん» こちらこそ、コメントありがとうございます♪このお話で楽しんでいただけたようで、とってもうれしいです!これからもこのお話の隆二くんで萌えていただけるようがんばります! (2018年12月5日 16時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
Koiru**RHT名前変えました(プロフ) - なつめさんに、やられそう( 〃▽〃) (2018年12月5日 9時) (レス) id: c51d9e3401 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なつめ | 作成日時:2018年11月28日 17時

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