cafe and bar MADNESS 2

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「今日、なんで
俺飲んでなかったんだと思う？」

「え、分かんないです……」

「時間が合えば、
Aちゃんのこと迎えに行けるなーって
思ってたから」



隆二さんの言葉に、驚いてしまう。

わざわざ車を出して私のことを迎えに来るなんて、
めんどくさくないのだろうか。

隆二さんは仕事とか、
大掃除で疲れているはずなのに。



「ちょっとでも
会いたいって思ってるのは、俺だけ？」



ちょうど信号が赤になって、
ブレーキをかけた隆二さんがこちらを見た。

真剣な表情のままで、笑顔がなくて、
胸が痛くなる。



「……そんな、ことないです」

「でも、会えたのに全然うれしそうじゃない」

「それは、隆二さんはお仕事だったのに、
疲れてるのに、わざわざ運転して
迎えに来てもらうなんて申し訳なくて、」

「だから、いいんだって。
俺がやりたくてやってんだから」



信号が青になって、車が走り出す。

隆二さんは怒ってるんだろうか。

せっかく迎えに来たのに私が喜ばなかったから、
嫌な気持ちになったんだろうか。

運転している隆二さんの横顔を盗み見ると
やっぱり笑顔はなくて、
泣きそうになってしまう。



「……もっと、甘えてよ。
すみませんって言われんの、
すっげー距離感じる」

「すみま……あっ、」



反射的に謝りかけて、慌てて口を押さえる。

すると、ちょっと笑った隆二さんが
手を伸ばして私の頭をこつんと小突いた。

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