cafe and bar MADNESS 2

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「店ではバイトの子に
やってもらうんだけど、
今日は俺が焼いてきた」

「えー！ありがとうございます」



隆二さんの手作りピザ。すごい。

身を乗り出してピザを見つめる
私の頭を優しく撫でた隆二さんが、
「食べよっか」とテーブルに向き直る。



「いただきます」



焼きたての隆二さん手作りピザは、
すごくおいしかった。

生地がふっくらしているのに
外側はよく焼けてパリパリしている。

チーズがびろーんと伸びて、
こぼしそうになってしまって
慌ててそれを口に入れると、
隆二さんは声をあげて笑った。



「おいしい？」

「すっごくおいしいです」

「はは、よかった」



シーザーサラダも、パルメザンチーズが
たくさんかかっていておいしい。

前にナオさんがやっていたみたいに
葉っぱをむしゃむしゃ食べていると、
隆二さんが目を細めて私を見る。



「なんでそんなに可愛いの？」



突然そんなことを聞かれて、びっくりした。

むしゃむしゃを止めて固まっていると、
はにかんだように笑った隆二さんに
ほっぺたを撫でられる。



「仕事行きたくなくなる」

「それは……困りましたね」



口の中のサラダを飲み込んでそう答えると、
「困ったね」と隆二さんも言う。

こういう時、
なんて言えばいいのか分からなくて
戸惑っていると、隆二さんは吹き出した。



「ほんとに困ってる。可愛い」

「からかわないでください……」

「からかってなんかないよ」



可愛いを連呼されて、うれしいけど恥ずかしい。

照れながらピザに手を伸ばし、
またチーズをびろーんとさせながら食べていると
ふいに隆二さんが「そういえば」と呟いた。



「年末のAちゃんの予定
聞こうと思ってたんだった。
どこか行ったりする？」

「えーと、29日は高校の時の友達と
忘年会しますけど、それ以外は家にいます」

「じゃあ、それ以外の時間は一緒にいたいな」



そう言われて、胸がじーんとした。

隆二さんに一緒にいたいと
思ってもらえたことが、うれしい。

うれしすぎて言葉が出てこなくて、
頷くことしかできない。

すると、隆二さんもうれしそうに笑って
頭を撫でてくれた。

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