cafe and bar MADNESS 2

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「……ほんとに
そろそろやばいな。
準備してくる」

「あ、隆二さん、」



私の体を離してそう言った隆二さんを呼び止めて、
鞄からマフラーを取り出す。

「クリスマスプレゼントです」と
包装されたそれを差し出すと、
隆二さんは驚いた顔をした。



「え、これ、どうしたの？」

「実は今日の買い物はこれが目的で……」



そう告げると、隆二さんの表情が緩む。

「開けていい？」と尋ねられて頷くと、
包装を解いてマフラーを取り出した隆二さんが
はにかむように笑った。



「ありがとう……すげーうれしい」



そう言って、
隆二さんはマフラーを巻いてみせてくれた。

シンプルなグレーのマフラーだけど、
隆二さんが巻くとすごくオシャレに見えて
これにしてよかったと安心する。



「どうかな？」

「すごい似合ってます。
隆二さんだったら何でも似合いそうだけど。
かっこいいです」



正直な感想を伝えると、
「すげー褒められた！」と
隆二さんが顔をくしゃっとさせて笑う。

無事プレゼントも渡せたし、
帰ろうと思ってスツールから降りると
隆二さんに腕を掴まれた。



「今日、急いで帰んなきゃダメ？」

「あ、いえ……そんなことはないですけど」

「……今から超特急で仕込み終わらせるから。
うちで待っててくれないかな」



まさかそんなことを言われるとは
思ってもみなくて、びっくりしてしまった。

「ダメかな……」と不安そうに言われて、
慌てて首を横に振る。



「待っててもいいなら、待ってます」

「……ありがと。じゃあ、行こっか」



そのまま手を引かれて、お店の外へ出る。

昨日と同じように裏口へ回り、
階段を登った隆二さんが
家の鍵を開けて中に入れてくれた。

部屋の暖房をつけて、
床置きのソファーに私を座らせてくれる。



「テレビとか、DVDとか
好きなの見てくれててもいいし。
仕込み終わったら、
ごはん持ってくるから一緒に食べよう」

「ありがとうございます。
お仕事、がんばってください」



そう言うと、ニッコリ笑った隆二さんが
腰を屈めてキスをしてくれた。

その振る舞いがかっこよすぎて
どきどきしている私の頭をポンポンして、
「行ってきます」と出て行ってしまう。

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