怖い怖い追いかけっこ ページ31
他の社員が乗って来る前にシャツを閉め、髪も後ろに撫で付ける。
そこで丁度男性が入ってきたので、軽く会釈をして昇降機が止まるのを待つ。
『______?』
一階に降りてフロントに向かいそのまま出ようとすれば、何やら出口が騒がしかった。
目を凝らし、遠くから何が起きて居るのか見る。
するとそこには何台かのパトカーと警察が来ていた。
そして、その中に見つけた金髪。
間違いない、降谷零だ。
『………ちょっと不味いのですよぉ〜』
身を翻し少しだけ早歩きで階段に向かう。
人が少ない階に行き、そこの窓から脱出しよう、そう考えてひたすら階段を登り続ける。
陽のした事が真っ当な事なら良かったが、生憎此方は政府お抱えの大罪人。
捕まれば死刑は免れず、それどころか死ねない異能も合わさって死にたくても死ねない地獄行き決定だ。
「____あ?
お前、社員証は?」
『………………あは、邪魔ですよ?』
無心で階段を登り続けて入れば、ばったり警備員に会ってしまい疑われてしまう。
警備員が社員証をつけていないことを不審に思い問いかけてきたが、その質問には答えられない。
だから、全力でその場を離れる。
「あ、おい、待てぇ!!
見つけたぞ、此奴が侵入者だ!!」
『うるっさいのですよぉ〜』
杉浦翔で居る意味はなくなったので、何時もの笑みと口調に戻す。
先刻の警備員が追いかけてきて居るのを見て、面倒臭いと思い、思い切り背負い投げをして気絶させた。
だが気絶させるにはそれなりの威力が必要だった為、かなり思い切り投げてしまい必然的に音が狭い階段に木霊する。
それを聞きつけた警察がぞろぞろとやってきて、陽の後を追い始めた。
「見つけたぞ、捕まえろ!」
「行け、逃すな!」
『ん〜、うじゃうじゃ湧いてきて、蜚蠊みたいなのですよぉ〜』
カサカサいうあの虫に人を例え、其の儘階段を登り続ける。
だいぶ登ったようで、屋上に続く扉が見えてきた。
警察達はバテているようで、まだ姿は見えない。
鍵のかかっている扉をピッキングで開け、扉を開放する。
「おい、扉が開いてるぞ!」
「屋上だ、急げ!」
『………仕方ないのですよぉ〜』
警察の声を聞き、屋上と階段を見比べる。
そして___
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作者名:鸞宮子 | 作成日時:2020年1月12日 16時