潜入捜査、イケメンとなって ページ28
《____この任務の為にはまず潜入捜査が必要なのですよぉ〜》
応接室を出て陽が言った言葉。
安吾はその言葉に首を傾げ、陽を呼び止めた。
しかし、既にその場に陽はおらず、結局次に陽が何をするかはわからない。
安吾は溜息をついてその場を後にした訳だが、一方で陽は____
『____こんにちは。
海外から上司からの命令で伺いました、代表の方はいらっしゃいますか?』
山之内が情報を盗まれたという会社に訪れていた。
長い前髪を後ろで固め、目にはカラーコンタクトを入れてすぐに正体は暴露ないようにしてある。
中性的な顔立ちを極限まで美形の男性に近付けた今の陽の顔に、思わず受付嬢は息を呑んだ。
いつもの雰囲気とは打って変わり、美丈夫だからこそ許される甘い笑みを浮かべる陽。
女性は一瞬その笑みの虜になるが、直ぐに気を取り直し、予定を確認する。
『ええと、連絡がうまく伝わってないかも知れないです。
上司が此処に来ると思うので、少し待たせて頂いてもよろしいですか?』
眉を下げて困ったように笑えば、女性は頰を染め、「どうぞ」と待合室へ案内してくれた。
「ありがとう」と礼を言い、携帯を取り出して時間を確認する。
先程受付にあった時刻表を覗き見たとき、女性の客が来ると書いてあった。
丁度来る時間帯。
扉を見ていると、タイトな服を上手く着こなす上品そうな女性を発見。
「あの、お昼からの会議に来まして」
「了解しました、小池様で宜しいでしょうか?」
『____あ、小池さん、お待ちしておりました!
此方です!』
小池と呼ばれた女性に手を挙げ、会社の中に入るように促す。
小池は一瞬目を見開くが、少しだけ嬉しそうに口角をあげ此方に歩み寄って来る。
『すみません、ありがとう御座いました』
「い、いえ!
お仕事、上手くいくといいですね」
『ええ、ありがとうございます』
女性の手を握り感謝を述べると女性は頰を真っ赤に染め、恥ずかしげに俯いた。
その隙に、女性の社員証を盗む。
其の儘スーツのポケットに隠し、小池の元に戻った。
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作者名:鸞宮子 | 作成日時:2020年1月12日 16時