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経験人数 ページ19

『____私はなんで君に暴露たのか知りたいのですよぉ〜』








「さあ、なんででしょうね」








「すみません、陽さん…
悪気はなかったんです……」









「勝手について来た」









そう言って陽の家に上り込むのは、昨日家に呼んだ敦と鏡花。

そして、安吾。

今回の情報はドストエフスキーから得た情報だった為、成る可く安吾に暴露ないようにしていた。

これ程の情報、正規のルート、そして灰色のルートでは手に入らない。



今日は休暇を貰ったのか、私服で訪れた安吾。

陽はてっきり休日でもスーツだと思っていたので、少々驚いた。








「言っておきますけど、僕は休日では普通に私服着ますからね。
ただ休みが全くなくて自然とそう思われるだけですから」









「まあそんな休日も貴方に潰されてしまったんですがね」とため息混じりに言う安吾は、元々の顔の良さも相まって、垢抜けた格好の今はただのイケメンだった。

陽の心を読んで会話をした安吾は少し得意げにしている。

それが少しだけ気に食わなかったので、安吾の胸元を人差し指でなぞり、妖艶に呟いてみせた。









『あは、潰しちゃったならぁ、申し訳ないのでその分楽しませてあげても良いのですよぉ〜?
勿論、オ・ト・ナの方でぇ〜』









パーティの時に敦は実感したが、陽の顔は男でも女でもいける。

つまり、猫なで声で今のように言われれば落ちない男はいないだろう。

敦は顔を真っ赤にし、鏡花の目を隠す。

そしてこっそりと安吾の顔を横目で見た。









「馬鹿言わないでください、貴方は男でしょう。
私はそう言う趣味はないですし、仮に女性だったとしても貴方はタイプではないので」









丁寧にきっぱりと断る安吾。

陽はいつものようにへらへらと笑い、「振られちゃったのですよぉ〜」と言いながら、いつのまにか入れていたのだろうか、珈琲を運んできた。

鏡花、敦、安吾の順に珈琲を置き、振り返る。








『言っておきますけどぉ、私は一度も男だなんて言った記憶はないのですよぉ〜?
それにぃ、私の経験人数には男も女も両方含まれているのですよぉ〜』









「ぶっ」









『あは、敦君汚いのですよぉ〜』









「す、すいません…」









陽の爆弾発言に敦が思わず、飲んでいた珈琲を吹く。

陽が持ってきた台拭きで机を拭いていると、陽の楽しそうな笑い声が聞こえた。

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作者名:鸞宮子 | 作成日時:2020年1月12日 16時

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