参事官補佐はイケメン ページ23
安吾side
米花町を歩き続けていた安吾の足が止まる。
目の前には興味を持っていた喫茶店、ポアロ。
先程陽に貰ったマフィンは焦げた見た目と裏腹に味は絶品で、直ぐに平らげてしまった。
これで喫茶店に入って何か食べれるか、と考え一人反省する。
「____あ、いらっしゃいませ。
入りますか?
どうぞ、今空いているので」
店の前に立っていると、金髪色黒、世に言うイケメンの店員が出てくる。
人の良い笑顔を浮かべる彼の誘いを断る気にはなれず、「すみません」と言って店に入った。
「お好きな席へどうぞ」
明るい店内は、《うずまき》とはまた違った雰囲気があった。
とは言っても、うずまきにも二、三回行った程度なので自分の感覚が正しいかと言われれば、探偵社員の人の方が正しいだろう。
店の中は店員の言う通り空いていて、女子高校生が三人いるだけだった。
真っ直ぐカウンター席に向かい、メニューを手に取る。
何やら背後から目線が凄いするが、関係は無い。
珈琲とハムサンドを頼み、携帯を取り出した。
「____ねえ、見てよ蘭。
あの人格好良く無い?」
「もう、園子。
聞こえちゃうわよ」
「あはは、でも、安室さんにも負けないぐらいだね」
「でしょー?」
「______」
後ろで会話している三人の会話ががっつり聞こえてしまった。
あまりコソコソと自分の話をされて嬉しいものでは無い。
イケメン、と言われること自体は嬉しく無いといえば嘘になるが、なんだか此処に陽がいれば笑われそうなので、癪だった。
金髪の店員__安室に目をやった。
今回この店に来たのにはいくつか理由がある。
一つは、単純にこの店が気になったこと。
ずっと混んでいるほどでは無いが、中々に人気のあるこの店のハムサンドとやらを食べて見たかった。
二つ目は、陽がこの店に良く訪れている、と言うことだ。
陽は黒の組織の調査をしていた時、此処の店に良く来ていたそうだ。
三つ目は、安室透、と言う公安警察がいると聞いた為。
自分にもそう言う仕事は多かったので、同じ諜報員として興味があった。
今後の予定を確認しようとすると、携帯電話が鳴り始めた。
そこに表示された文字に、思わずため息を吐いた。
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作者名:鸞宮子 | 作成日時:2020年1月12日 16時