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お金は大丈夫かと思われただろうが、多額の保険金と毎月驚く程のお金が私の口座に入っている。
事故と簡潔に言われたが、恐らく"なにか"が絡んだ事件だったのだろう。
そしてそれはきっと誰かのの不手際によって起こされて、闇に葬られたのだ。
冷たい亡骸を抱きしめることも叶わずに、カラコロと音のする骨壷だけが私の手に渡された。
何も言えなかった。
何を言っても意味が無い事実と知ることすらできない己の無力さだけが、嫌という程のしかかってきた。
転生してきたものの、両親のことを愛していた。
最初の頃はどう接するのが正解かと悩んだが、
そんな私を、両親は愛してくれていた。
笑顔には笑顔を返してくれて、必要なものも、必要じゃないものも、惜しみなく買い与えてくれた。
悩んだら一緒に考えてくれて、熱を出した夜は、一晩中そばにいてくれた。
優しくて穏やかで、大好きだった。
両親が生きているならば、きっと私が健やかに生きることを望んでいるはずだ。
ならば、普通が1番だろう。
巻き込まれることも考えられるが、それでも巻き込まれ具合はヒーローよりはよっぽどマシな筈だ。
自宅の扉を開けて、入って鍵を閉める。
上がって左手、一室のみ和室になっているそこは両親の仏間になっている。
帰ってからそこに手を合わせて夕食の準備に取り掛かる。
オシャレな料理を期待した方には申し訳ないが今夜のご飯は豚肉とキャベツと玉ねぎを炒めたものにソースをかけたものになります。
料理にばかり時間を割いてられない、学生は課題をやるだけでも辛いのに一人暮らしの私はやることがとにかく沢山あるのだ。
夕飯を食べ終わり、課題をするかと2階にある自分の
部屋に戻ると日は落ちかけていた。
引ぱなしの白いカーテンに光が差し込んで水草のように揺れていて、何故だか寂しさを覚えた。
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亜鉛2℃(プロフ) - Esさん» コメントありがとうございます。感想を言って頂けるととても励みになります。描写に気をつけて書いているので本当に嬉しいです。読んでくださりありがとうございます。 (6月1日 19時) (
レス) id: 7a92f90d7d (このIDを非表示/違反報告)
Es(プロフ) - 地の文がすっきりしていて読みやすくて、とても面白いです！主人公の心情描写が分かりやすくて惹き込まれました！応援しています！ (6月1日 15時) (レス) @page8 id: 675c8ca3d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜鉛2℃ | 作成日時：2023年5月31日 22時
