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撒き散らされた血をあまり視界に入れないようにしながら相澤先生を肩に担ぐ。
絆創膏を取り出した時点では、何をする気かと私をせせら笑っていた、顔に手を付けた人が治った腕に驚いているのがわかる。
「脳無。」
その一言で脳みそが剥き出しの筋肉ダルマのようなものが近づいて来る。
相澤先生を伴って逃げるのは無理だと思い、その場に回復体位を取らせながら下ろす。
そして自ら脳無の方へ向かう。
個性はあまり使った事がないが、相澤先生の怪我を治してみても然程強い疲労感や何かが削られた感覚は無い。
寿命とかだったら笑えないな、などと考えつつ脳無に対峙する。助けが来るまでの、時間稼ぎをすれば良いのだ。
息を吸って吐く。
脳無が、拳を振りかぶり私の方へ向ける。
私は個性を使い、それを避ける。
この場合の下地は私の筋肉と動体視力。
つまり、あまりない筋肉を個性で無理やり使っているため、これが長引くとおそらくなにかの不調が出てくる。
こんなことになるんだったらちゃんと個性を使うのを練習しておけば良かった。
なんて、後悔しても遅いのだが、どうしてもこんなふうに考えてしまうのは人間の性か。
他の災害ゾーンから出てきたA組の人が
「普通科の人！？！？」
と叫んでいるのが聞こえる。
相澤先生が何も言わなかった上に自己紹介もしていないからずっと普通科の人って呼ばれているな…と頭の片隅で考えつつ脳無とやらの攻撃を避ける、若しくはいなしていると鼻から何かが伝うのを感じる。
思わず下を向くと赤い。
鼻血が出ている、個性の影響か。
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亜鉛2℃(プロフ) - Esさん» コメントありがとうございます。感想を言って頂けるととても励みになります。描写に気をつけて書いているので本当に嬉しいです。読んでくださりありがとうございます。 (6月1日 19時) (
レス) id: 7a92f90d7d (このIDを非表示/違反報告)
Es(プロフ) - 地の文がすっきりしていて読みやすくて、とても面白いです！主人公の心情描写が分かりやすくて惹き込まれました！応援しています！ (6月1日 15時) (レス) @page8 id: 675c8ca3d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜鉛2℃ | 作成日時：2023年5月31日 22時
