【鬼滅の刃】一妻多夫制の柱さん

炎柱の訪問 参拾参 ページ44

柱合会議から約一ヶ月後___________


胡蝶side


煉獄｢失礼する！胡蝶は居るか！｣


自室から出て任務に行こうと廊下を歩いていた時、玄関から声が聞こえた。


このハキハキとした男性の声は紛れもなく炎柱である煉獄さんの声。


でも、煉獄さんとはつい最近お館様に呼ばれた時に会ったばかり。


ましてや柱同士がこんな短期間の間に会うことはとても珍しいことだ。


何かあったのだろうか。


胡蝶｢ここに居ますよ。何か御用ですか？｣


煉獄｢突然訪問してすまない！少し体の調子を診て貰いたくてな！｣


駆け足で玄関に向かい話しかければ、いつも通りの煉獄さんが腕を組んだ状態で玄関に立っていた。


用件を聞けば、私に体の調子を診て欲しいとのことだ。


胡蝶｢それは構いませんが……私は薬学に精通しているだけであって医者ではありませんよ？｣


そう聞けばどこを見ているか分からない目のままこちらを向き、
表情を変えることなく口を開いた。


煉獄｢胡蝶の腕の良さは俺含め、柱や鬼殺隊隊士も認めている。
謙遜をする事はないだろう！｣


胡蝶｢!!……ふふ、ありがとうございます。
ではこちらへどうぞ｣


煉獄｢うむ！｣


嘘もなく、曇りもない眼で言われれば自信も湧くものだ。


そう言って貰えるだけでとても嬉しかった。


そのまま屋敷に入る様に促し、二人でお話をしながら私の自室へと向かった。


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


胡蝶｢…………はい、ありがとうございます。どこにも異常はありませんでしたよ｣


煉獄｢そうか、すまないな｣


色々と体を動かしてもらいながら動きに不自然な点が無いかを確認した。


だがさすが柱と言うべきなのか柱以下の隊士よりも任務が多いにも関わらず、
体には異常もなく健康体そのものだ。


胡蝶｢一応確認ですが、最近怪我などされていませんか？
血気術にかかってしまったとか｣


煉獄｢うむ………一度だけ任務中に油断してしまい、背中を打ったことがあったな｣


なるほど。


体に異常がなくても傷が残っているかもしれませんね……。


胡蝶｢では痣が残っていないか確認したいので、隊服を脱いで頂けますか？｣


そのお願いをしてから煉獄さんの表情を見て、私は心底驚いた。


ごく普通にお願いしたつもりだったのだ。


ただ傷跡や痣が残っていないか診たいだけだった。


驚いたのはこの単純な気持ちでお願いした事に、煉獄さんが滅多に崩さない表情を凍らせたことだ。

痕 参拾肆→←贈られた櫛 参拾弐

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す