【アレスの天秤】皇帝の変人姉さん

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※風丸は帝国の寮に入っている設定

｢兄さぁぁぁぁぁん!!!!会いたかったぁぁぁぁぁ!!!!｣

発狂しながら思いっきり抱きつくと、少し声を漏らしながらも
しっかり受け止めてくれた私の大好きな兄さん。

兄さんの肩ぐらいの身長の私は、兄さんの香りをスンスンと嗅ぎながら
久しぶりの兄を堪能する。

風丸｢相変わらず元気だな｣

変態じみた私の行動に慣れてる兄さんは気にする様子もなく、
私にされるがままになっている。

｢ふへへ、だって久しぶりに会えたから嬉しいんだよ！｣

風丸｢久しぶりって言っても、前に会ったのは2日前だぞ？｣

｢兄さんと24時間以上会えなかったら、久しぶりなの！｣

それを聞いた兄さんはキョトンとした後、笑ってから
そうかそうかと言って頭を撫でてくれた。

話しながら兄さんの部屋に行き、お互いに色んな話を
話題に出しては一緒に居れる少ない時間を楽しんだ。

｢……兄さん、疲れてんじゃない？話を聞く限りだとストレス半端ないでしょ？｣

話の途中でいつもより疲れた様子の兄さんに心配しながら聞くと、
苦笑して私から目を逸らして溜息をつく。

風丸｢Aには隠し事出来ないな……全部バレるんだもんな……｣

｢兄さんのことならなんでも分かるさ！兄さんは、
澄ましてるようで実は心弱い方なんだからさ｣

風丸｢はは、言えてるな｣

力無く笑う兄さん。

余程悩んでる事があるんだろう。

｢悩んで迷うことも多いんだから、せめて私には頼ってよ。兄さん｣

兄さんに抱きつきながら言うと｢ありがとな…｣と、弱々しく言った。

帝国学園では影山に心酔したように振舞っている兄さんは、
それに対してもかなり抱え込んでいるはずだ。

そんな兄さんを黙って見てる訳にはいかない。

てか、私が黙ってるわけないぞ。

ふざけんな(勝手にキレた)。

その後、新しく来た雷門イレブンの話を兄さんに話した。

兄さんも期待してるみたいで、これからが楽しみだなと言ってくれる。

それに返事をしてから、ふと壁に掛かっている時計を見た。

針が指していた時間は午後4時。

｢あ、いっけね！ごめん、兄さん！私もう行かなきゃ！｣

風丸｢もうそんな時間か、時が経つのが早いな｣

｢兄さんと2人で居る時間だけ長くなればなー｣

風丸｢あぁ、それもいいな｣

私の(愛が)重い提案にも、笑って受け入れてくれる兄さんは
やっぱり何処を探しても居ないな。

そう思っていると兄さんは少し笑ってから、
なぜか寂しげに口を開いた。

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