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竈門炭治郎の話 ページ9

兄の死からしばらく経った。



葬式も終わり、親戚の方との話も終わりようやく生活が落ち着いてきた。



だが父は兄を侮辱するばかりで私は口答えすら出来ず、
Aさんもそれを聞いても何も言わなかった。



兄が居なくなってからAさんは変わった。



変わらず食事は作ってくれているが、家事を終えると暇さえあれば兄の仏壇の前でぼーっとする毎日。



先日は体調を崩し、寝たきりになってしまったほどだ。



だが、私もそんな日々の繰り返しで疲れてしまった。



兄の死から立ち直ることができず、今日もまた同じことを繰り返す。



そんな日々が続いたある日、
落ち葉などを目で探しながら下を向いて掃いていると、
ふと自分の名を呼ばれ顔を上げるとそこには一人の若い隊士がいた。




鬼殺隊の隊服に緑と黒の市松模様の柄をした羽織を羽織り、耳飾りを付けた一人の隊士だ。



激しく息切れをしていて、汗も凄い。
見るからに体調が悪そうだ。



誰なのかは分からなかったが、兄から言葉を預かったということは少なからず二人には接点があり話していたのだろう。



私は少し戸惑った後、具合の悪そうなことも含めて言う為に口を開いた。



千寿郎「…兄から?兄のことはすでに承知しておりますが……
あの…大丈夫ですか?あなた顔が真っ青ですよ「やめろ!!どうせ下らんことを言い残しているんだろう!」



そう言い終わったと同時に玄関から父の怒号が響き渡り、
私と隊士の方は驚きながらその声の方へと顔を向けた。



煉獄(父)「たいした才能も無いのに剣士などなるからだ!
だから死ぬんだ!!
この世に妻を遺して逝ったんだ!!
くだらない…愚かな息子だ、杏寿郎は!!」



父は酒を持ったままそう言い放ち、言葉を続けた。



煉獄(父)「人間の才能は生まれた時から決まってる。
才能のある者は極一部。
あとは有象無象。
何の価値もない塵芥だ!!」



千寿郎「……」



煉獄(父)「杏寿郎もそうだ。
大した才能は無かった。
死ぬに決まっているだろう」



そして私に視線を合わせると厳しい顔をして声を荒げられた。



煉獄(父)「千寿郎!葬式は終わったんだ!いつまでもしみったれた顔をするな!!
Aにもよく言っておけ!」



その言葉に、目の頭が熱くなって視界が歪み出す。
まだ涙は流れていないが、泣くのは時間の問題だった。



箒を握る手に力が入り、箒はミシミシと音を立てる。
その音は心が壊れそうになっている音に何となく似ていた。

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春月卯月(プロフ) - フィオナさん» ありがとうございますー!一応最後の展開までは考えているので頑張ります!応援ありがとうございます! (2019年11月20日 21時) (レス) id: e961db7c14 (このIDを非表示/違反報告)
春月卯月(プロフ) - ユリさん» 気になって下さって嬉しいですー!なるはやで頑張ります!ありがとうございます! (2019年11月20日 20時) (レス) id: e961db7c14 (このIDを非表示/違反報告)
春月卯月(プロフ) - 影姫一閃さん» タイトル悩んだんですよ本当にー!いい話なんて滅相もない!勿体ないお言葉です!ありがとうございます!頑張りますー! (2019年11月20日 20時) (レス) id: e961db7c14 (このIDを非表示/違反報告)
春月卯月(プロフ) - 椿さん» 応援ありがとうございますー!楽しみにして下さって光栄の極み!頑張りますね! (2019年11月20日 20時) (レス) id: e961db7c14 (このIDを非表示/違反報告)
フィオナ - この後の展開が気になります。更新頑張ってください (2019年11月20日 20時) (レス) id: ba2a71100d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春月卯月 | 作成日時:2019年11月19日 22時

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