元カレ (ページ5)

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Aside

颯太とラーメンを食べて、電車の方向が違うからバイバイって言って電車に乗り込む。

大学生になってから一人暮らしを始めた私。

両親が心配だからと学生が住むようなところではない少し広めのマンションに住んでいる。

電車と言っても乗るのはたった一駅。

そういえば、光成もこの辺に住んでたなぁなんて。

たまに思うけどそんなことを思って3ヶ月くらい。

1度も出逢えたことは無かった。

『えっ…』

でも今日は違った。

あれは紛れもなく光成。

こんなまぐれあっていいの？

私もかつて来てた同じ高校の制服。

半年経っても変わらないかっこよさ、でも少し大人っぽくなったかも。

［次は○○駅〜…］

電車のアナウンスが聞こえて立ち上がる。

空いてるこの電車の車内、気付かれたいようなたくないような。

光成「…久しぶり」

横から懐かしい声。

『久しぶ、り』

電車のドアが開いて二人並んで降りた。

光成「一人暮らし？」

意外と普通に話しかけてくるもんだから驚きながらも平然を装って『そうだよ』と答えた。

光成「送ってくよ、もう暗いし」

相変わらず優しい光成のままだった。

『え、いいの？』

私がそう言うと「いいから言ってるんだけど」ってにこって笑った。

この笑顔が好きだった。

『あ、家はね東出口の方真っ直ぐ行ったところ』

光成「結構近いんだね」

『そういやそうだね〜』

なんて言ったけど、本当は少し会えること期待してた。

物件は親が決めたけど、内見の時にそういやここ光成の家の近くだなんて思ってた。

光成「俺さ、」

『ん？』

光成「全然そっちの気持ち考えてなかった」

そんなことないのに。

考えてなかったのは私の方なのに。

光成「受験生なって気づいたわ、全然余裕ないよね(笑)」

『まぁ、、、そういやどこ受けるの？』

何だかこのまま話を続けられたくなかった。

光成が私を忘れて前に進んでるなんて思いたくなかったから。

光成「第1志望はひとつ先の駅の大学。」

『え、○×大？』

光成「そうだよ？」

私もそこ行ってるんだ、なんて言ったらどんな顔するかな。

別れてからSNSは全部フォローお互い解除したから見れないしどこの大学行ったかなんて知らないよね。