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「…好きだったのになぁ。




本当は嬉しかった。本当に手を繋げて幸せだった。あの時の夢を今でも夢見てる。ずっとずっと夢見てる。だからクロスが出るって噂を聞いたときは馬鹿馬鹿しいと思ってた。それなのにそんな噂にすがるように海に来たけれど聞こえるのは波の声だけ。





明日のお盆にクロスは返ってくるのかな?なんて思いながら地平線を見つめていた。






「A、風邪引くぞ。

「……え、

「明日は恋人のふりしてくれるんだろ。

「……くろす、

「…なんだよ、死人を見るような目で。





あり得ないかのように見つめていて、彼は何も知らないかのような姿で…、





「くろす、

「何でお酒なんて持ってるんだ、…またエピックのやつか…!

「クロス、私は今、何歳?

「今何歳って、俺達は十七歳だろ…。






クロスの記憶だけが、止まっているみたいに。






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作者名:kimi | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2023年7月17日 17時

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