回夏の幽霊 (ページ14)

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「Aちゃん、朝ごはんここで食べなよ！

「仕事が急に舞い込んできたから部屋で食べることにしたの。

「ふぅん、祭りにまで終わる？

「終わらせますよ。

インクは不自然には思っていないようだ。鈍感で良かったと此時ほどまでに思ったことはない。自室に行けばクロスが毛布から顔を出して確認してきた。

「なんかクロス泥棒みたい。

「お前な…、俺はもう死者なんだろ？この家にはインクだっているし…。

「大丈夫だって、あいつ鈍感だから。

ご飯を出せば「お前の分は？」と聞いてきた。もう食べたよと言えば「そうか」とクロスは呟いた。クロスはよく食べるからそれを見ているだけで幸せだった。今その光景ヲ見れているこの時間は奇跡の何者でもないんだろう。

「うん、美味しいな。

「でしょ、花嫁修業しなくてもいいよね。

「まぁ…、片付けだけはな。

「黙れ小僧。貴様に何がわかる。

「俺だって生きてればお前と同い年なんだろ？

「まぁ、そうだね。

クロスの声が、とっても落ち着く。

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