回夏の幽霊 (ページ13)

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「クロス、明日はどうする…？

「…祭りに行ったら、…駄目だよな。……A、俺の記憶はお前と一緒に祭りに行く約束をした記憶しかない。

「……うん。

「…どうせ死ぬぐらいなら、お前と行きたい。…お願いだ…！

「…いーよ。

クロスは驚いたかのように此方を向いた。承諾してくれるとは思っていなかったのか「本当にいいのか！？」と彼は再度確認してきた。私はクロスといきたい。…もう一度消えてしまって想いが伝えられなくなる前に。

「大丈夫、バレないように変装してあげるから。

「……面白がるだろお前。

「あれ、バレた？

クロスの笑う顔を見て初めて安心した。それは急に「君が死んで六年も経っている」なんて言われたら驚くし、住み慣れている街が急に変わっていれば不安にもなるはずだ。だから不安なはずの彼が安心してくれるなら私はとっても嬉しくなる。

「明日はよろしくね、彼氏君。

「……わかったよ。

夢でも見てるんじゃないかって、今でも思ってる。

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