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「A、A！どうしたの！
絶っ対、解けずに怒られると思ってたのにすげー！」
例の数学の授業が終わると、すぐに駆けつけて来て海ちゃんが大げさに褒めてくれる。
昨日の別れ際に馴れ馴れしくしたせいか若干厳しめな気がしたけど、廉先生のおかげでバッチリ答えることができた！
「ねぇ、聞いて！昨日ね…」
放課後のことを話すと目をキラキラさせて私以上に喜んでる。
まったく、お前はいいやつだ。
「いいなぁー青春！
俺も廉に教えてもらいたい！」
「はあ！？なんでよ！
海ちゃんは廉先生否定派だったじゃん
しかも、廉っていつから」
「ふふふ。それを聞くかAさんよ。」
うざったらしくそういう海ちゃんに根掘り葉掘り聞き出すと、
昨日、私が教えてもらう前に廉先生に会っていろいろ話をしたところグンっと距離が縮まって私の話をしたとか。
「ずるいよ！」
「でも、昨日のは俺のおかげなんだからね」
「…海ちゃーん！」
お前は本当にいいやつだ、
と頭を撫でるつもりでパシパシ叩く。
あれ、ちょっ痛いんだけど、という言葉は無視して続ける。
「あ、でも」
「ん？」
「さっき3組の人から聞いたけど、授業ボイコット計画が浮上してるらしい」
我々、廉先生親衛隊は肩を組んで教室のど真ん中でコソコソと声を潜める。
「ボイコットってあの嫌なやつ？」
「…良いボイコットを聞いたことがないんだけど、多分そう」
「なんでよ！」
「もう、声大きいから！
廉に相手にされない〜とか彼女とられた〜とか？
確かそんなの…」
え、それだけ？
3組って…もしかしたら昨日の校長の話も関係あるのかな
「海ちゃん、3組の次の数学の授業はいつ？」
「明日の5限って聞いたけど
えっ、何する気？」
3組諸君、思い通りにはさせないからな…
「A…？」
「ふふふ」
「俺ら、その時間は神さんだよ？」
「へ？」
「神宮寺先生の数学」
また邪魔する！すぐ邪魔する！
ああ〜と項垂れると、どんまいって背中を叩かれた。
せっかく廉先生の役に立てるのに！
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作者名：ゆいまる | 作成日時：2019年3月2日 20時
