元愛され系 2 (ページ6)

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レンズページ6

向井side

snowman恒例の健康診断

診断結果が今日中に貰えるからとみんなで待っていた

俺は人気の無い広場の景色が綺麗だったから写真でも撮りに来た

向井「めっちゃええやん！」

撮れる写真は結構良いものばかりだ

かさっと何かが動いた音がして横を見た

向井「ぇ、？」

『お、こーじじゃん、』

向井「みなくん？」

『久しぶり、元気だった？』

みなくんは淡々と話しかけてくれるのに

俺はなんも返せなくて黙り込んでしまった

『あ〜、健康診断？』

向井「そ、ぉ」

『そっかそっか』

向井「……みなくんは、、？」

『俺？俺はね〜内緒！笑』

向井「なんや、どっか悪いん？」

『……、別に元気なんだけどね笑』

向井「…？」

『心配すんなってことだよ』

立ちながら話してた俺をベンチの横に呼んだ

俺はみなくんの横にゆっくり座る

『写真撮ってたの？』

向井「うん、」

『いーの撮れた？』

向井「……、うぅん」

『そーなの？珍しいじゃん』

向井「みなくん、モデルなってや」

『え？』

向井「撮らせて」

『えー？』

みなくんと少しの時間だけだとしても同じグループの仲間だったとき

写真は全く撮らしてくれなかった

俺と一緒にとか、誰かに引っ張られてなら撮ってくれていたけど

1人では撮らしてくれなかった

カシャとシャッター音がなる

向井「……ぁ、」

撮れた写真を見ると顔を隠してたり、隠れてたりしてまともな写真は無かった

『ふふっ、ばーか！』

そう言っていつも頭をつつかれる

なんで撮らしてくれないのか聞くと

『だってこーじ、レンズ越しだと何でも見透かしちゃうでしょ？そんなのやなの、』

向井「え〜！！！」

確かにそうだ、俺はいつも疎いと言われるが

写真を撮ってみるとなんだかわかる気がする

ふとした表情が魅せる感情とか

『いーよ、撮らしてあげる』

ベンチから立ち上がり俺を見つめた

向井「やったー！」

花の近く、みなくんを撮る

初めて見たレンズ越しのみなくんは儚い

レンズから目を離せば消えてしまいそうで

何枚も、何枚も存在を確認するために撮った

やっぱ痩せたなーとか

ほんとに元気なのかなとか

『まーだ撮んの？』

いきなり近づいてきて笑いかける

向井「んー、満足！！」

『お、ならよかった〜』

『じゃ、俺は帰ろっかな』

向井「そうか、」

『じゃ、』

向井「うん！また！」

『はーい』

手を振りながら去っていく背中が懐かしい