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今日は待ち望んでいた体育の日、普段ならこんなに楽しみにしているなんてありえない事。だが今日は前回とは訳が違う。
｢Aさん、ジャージ届けに来ました！｣
｢ありがと！わざわざごめんね｣
｢いや、俺がしたくてやってることなんで｣
さも当然だと言いたげなその言い草にきゅう、と胸が締め付けられる。まるで少女漫画を読んでいるような甘いひととき。やけに現実味を帯びないこの空間に、本当に私は存在するのだろうか。そんなくだらないことを考えてしまうくらい、彼の行動が嬉しくて仕方がなかった。
｢体育頑張ってください｣と言い自分の教室へ戻ってゆく飛雄君を、私は見えなくなるまで見つめていた。
｢Aのジャージでかくね？｣
｢これが噂の彼ジャーよ！｣
｢あぁ、あの追っかけ君と結局付き合ったのね｣
｢追っかけ君って…それもう定着してんの？｣
｢残念なことに手遅れです…｣
飛雄君のあだ名はどうやら“王様”から“追っかけ君”になってしまったようだ。いずれにせよ、彼のあだ名はいつだって不名誉なものばかりだな。その事実に少しばかり可哀想にも思うがどちらも彼の行動が招いたあだ名だ、冷たいだろうが自業自得という言葉がよく似合っていた。
｢それにしても不思議だなぁ｣
｢何がよ｣
｢いやね、あんなにイケメンな飛雄君がどうしてこんな平凡な女を好きになったのかなぁって｣
彼女に聞いても分かるわけがないだろう。困らせるだけだ、と思い慌てて｢なんでもない、忘れて｣と呟いた。途端、友人はじっと私を見つめる。急に黙り出すので些か不安に思う。惚気ける私の顔があまりにだらしなかったからだろうか。その視線がどこか気まずくて思わず逸らしてしまった。
｢アンタ、可愛くなったよね｣
｢へ？…そりゃ、どーも？｣
｢正直アンタの顔は普通だけどさ｣
｢おい｣
｢一番愛されてんのはAなんだから、自信持ちなよ｣
｢お節介かもしんないけどさ｣とつけ足し、彼女は気恥しそうにそっぽを向いていた。下手な慰めより、真っ直ぐなその言葉は私の心にスっと入ってゆく。私はきっと真っ直ぐな言葉に弱いんだろうな。
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めいゆえ(プロフ) - まいさん» 応援していただきありがとうございます！ (2022年8月29日 11時) (
レス) id: 396e1f2020 (このIDを非表示/違反報告)
まい - ずっと荒らされてて可哀想。応援してます。荒らしてる方こそ良心の呵責（笑）ないのかよ (2022年8月28日 13時) (レス) id: 10ee86ddc2 (このIDを非表示/違反報告)
A - ずっと自演していて良心の呵責はないのでしょうか？ もうユーザーの方を悪質ユーザーとして通報させていただきます。 (2022年8月28日 11時) (レス) id: 8276257951 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めいゆえ | 作成日時：2022年8月28日 10時
