第六十三訓 ページ16
Aサイド
斬られて落ちたエリザベスの半分の奥に見えたのは高杉だった
「オイオイ いつの間に仮装パーティ会場になったんだここは ガキが来ていい所じゃねーよここは」
「高杉...」
エリザベスを斬った犯人。だけど、不思議なのはエリザベスから陽だまりのような匂いがしないこと。いま匂っているのはシャンプーの石鹸の匂いだ
この匂いはそうあの人
「ガキじゃない＿＿＿＿桂だ」
「桂さん！！」
エリザベスの半分下から現れた桂はそのセリフと共に高杉の腹を斬った
「晋助様ァァァ！！！」
倒れた高杉に駆け寄る女と男。神楽ちゃんに依るとまた子と武市というらしいがとりあえず桂に話しかけることにする
「桂、黄泉帰って来たの？」
「あぁ、この世に未練があったものでな
かつての仲間に斬られて好いた女に何も出来ずに死んだとあっては死んでもしにきれぬというもの。なァ 高杉お前もそうだろう」
「仲間ねェ まだそう思っていてくれていたとはありがた迷惑な話だ 。クク...貴様が女を好きになるとはなぁ」
チラリとこちらを見て、何事も無かったように起き上がった高杉の懐に見えたのは一冊の本、それを見ると桂も同じものを自身から取り出した。どちらも何かで斬られた跡がある
どうやら桂と高杉は昔からの仲間らしい、そうなると銀さんと高杉も戦友だったということになる。攘夷四天王...気になるものだ
対峙する２人を見れば、船内が爆発を起こした。爆風が上がり突然の出来事に狼狽える鬼兵隊だが、その犯人が桂だとすぐに判断し囲った
「江戸の夜明けをこの眼で見るまで死ぬ訳にはいかん 貴様ら野蛮な輩に揺り起こされたのでは江戸も目覚めが悪かろうて
朝日を見ずして眠るがいい」
そうかっこよく決めたのに神楽ちゃんにプロレス技をかけられ船にめり込んだ。次に新八くんに丸太で殴られ顔をだした
２人は心配したのにも関わらず、ずっとエリザベスの中にいた事が気に入らなかったようだ
そんなに怒らなくてもいいのでは？
ブンブンと桂を神楽ちゃんが振り回していると、空からこちらに向かってやってくる船があった
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作者名：ねこよこ | 作成日時：2018年4月15日 21時
