59. ページ10
男の子と飲み物を買いに行って、好きだというリンゴジュースを買ってあげた。
あなた｢席に着いたら寝ようね･･･｣
離陸しないうちに機内に入って席に向かって歩く。
黒田｢ん･･･橘さん。｣
声が聞こえて振り返ると黒田さんがいた。
あなた｢あ･･･お疲れ様です。｣
黒田｢その子ども･･･え、もしかして｣
あなた｢え？｣
黒田｢デキ婚だったんですか･･･？｣
あなた｢え？違います！この子は丸さんのお子さんです。｣
黒田｢そうですか･･･いや、すみません。なんだかすごく親子に見えたので。｣
あなた｢親子？｣
黒田｢はい。すごく母親に見えましたよ。｣
あなた｢･･･なれますかね、母親。｣
黒田｢みんな最初は不安ですよ。｣
あなた｢それもそうなんですけど、祐輔くんの子供ってなるといろいろ期待されるし、ちゃんとちゃんと育てられるのかなって。｣
黒田｢そのへんを考えるのは祐輔ですから。橘さんはなんも考えんと自由に子育てしてればいいと思いますよ。｣
あなた｢･･･ありがとうございます。｣
そのまま席に着くと、祐輔くんは目を開けた。
あなた｢起こしちゃった？ごめんね。｣
野村｢いや、寝てなかった。･･･さっき丸に確認したら丸が酔っ払って奥さんに話してたのを聞いてたらしい。｣
あなた｢そうなんだ。じゃあ、しょうがないかもね。｣
と男の子の頭を撫でると祐輔くんも撫でた。
野村｢やっぱ、子供って可愛いな。｣
あなた｢祐輔くん、昔っから子供好きだよね。藍里のこともよく見ててくれたし。｣
野村｢藍里ちゃんいい子やもん。航平(弟)なんかひどかったで。｣
あなた｢航平くんだって可愛かったよ笑｣
野村｢Aの前やから猫かぶってただけじゃ笑｣
あなた｢えー？笑｣
2人で頭を撫でていたら、男の子は眠ってしまった。
私のお腹でほっぺが潰れて口が開いている。
野村｢可愛い･･･｣
あなた｢ね。｣
野村｢俺も子供欲しいかも･･･｣
あなた｢え？｣
野村｢･･･ごめん、先走りすぎた。｣
子供、か･･･
あなた｢もうちょっと、先でもいい？｣
今はまだ、2人の時間を大切にしたいし、子供のことを考える余裕が無い。
欲しいけど、すぐにできるとも限らないし。
野村｢うん。ゆっくりでいいよ。｣
まだ世間に報告もしてないし、親にもしてないし会社にもしてないし、それどころか届けだって出してない。
男の子が私の服をガッチリ掴んだままなので動くに動けず、2人で固まっていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 79人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蒼暉 | 作成日時：2018年4月4日 15時
