58.〜Y.N〜 ページ9
ハワイでの取材やロケの収録なども終わり、ついに帰国だ。
野村｢A、忘れ物ないー？｣
あなた｢うん！大丈夫ー！｣
Aはそう言うけど少し不安なので俺がもう一度確認する。
野村｢冷蔵庫の中に飲み物いっぱい入っとるし、コート忘れとるし･･･全然大丈夫じゃないやろ！｣
あなた｢あれー？ほんとだ、ごめん。｣
Aは昔からそうだ。
自分では大丈夫と思っていても絶対どこかで抜けてる。
野村｢まったく･･･ほら、行くよ。｣
お土産もちゃんと持って、部屋に忘れ物がないことも確認して部屋を出る。
あなた｢おお･･･久しぶりの外だ･･･｣
野村｢せっかくハワイに来たのにあんまり外に一緒に行けんで、ごめんな。｣
あなた｢んー？大丈夫だよ。ホテルだけで充分楽しかったし、祐輔くんお土産いっぱい買ってきてくれたし。｣
どこから情報を聞きつけたのか、まだ監督と同級生たちと誠也にしか伝えてなかったはずの俺らの結婚がチームみんなに広まってて、ロケの次の日に一緒に外に行こうと部屋を出たらあっという間にみんなに囲まれた。
それから危険だと思い、Aにはあまり外に出ないようお願いした。
黒田さんと新井さんにはちゃんと挨拶に行ったが。
空港に荷物を預けて飛行機に乗り込むと丸の息子がまた走ってきた。
男の子｢おねーたん！｣
両手を広げて抱っこをねだったようで、Aは迷うことなく抱き上げる。
あなた｢パパかママにちゃんと言ってきた？｣
男の子｢おねーたんのとこいくっていった！｣
あなた｢なら、いいか･･･｣
男の子｢ゆーしゅけ！おねーたんとけっこん！｣
野村｢ブッ･･･｣
突然俺に話の矛先が向けられ、飲もうとしたお茶を吹き出しそうになる。
野村｢な、なんで知ってんの？｣
てかまずなんで俺の名前知ってんだよ･･･！
男の子｢ぱぱがはなちてた！ゆーしゅけもやっとけっこんかーって！｣
あいつ･･･
あなた｢あ、じ、ジュース買いに行こっか！｣
Aは話を変えようと男の子を連れて席を立つ。
野村｢そろそろ離陸するから早めにな･･･｣
Aが見えなくなると、すかさず丸の席に行く。
野村｢丸！子供の前で俺らのこと話すなよ！｣
丸｢え？あいつまた変な事言った？｣
野村｢祐輔、お姉ちゃんと結婚って！3歳の子供に何教えてるんだよ･･･｣
丸｢あいつ寝てると思ったのに聞いてたのか･･･｣
野村｢そういう問題じゃねえよ･･･｣
このまま話してても拉致あかないな･･･
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作者名：蒼暉 | 作成日時：2018年4月4日 15時
