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数日後、無事に退院した私は2人を抱いてタクシーで家まで帰った。
祐輔くんは東京で試合だし、桜蘭も両親も仕事で私一人だ。
家に帰ると玄関にドーンと未開封の箱が2つ置いてあった。
見ると、双子用のベビーベッドとベビーカーだ。
宛先を見る限り、うちの両親と祐輔くんの両親が送ってくれたらしい。
届いたはいいけど祐輔くんは組み立てられなくて、試合にも行かなきゃでこのまま放置してたんだろうなぁ･･･と勝手に妄想しながら2人をソファに寝かせてベッドを組み立て始めた。
高校が工業系だったから組み立てるのは割と得意だ。
久しぶりの組み立て作業にワクワクしながら木材の1本1本を組み立てていく。
あなた｢おぉ･･･でかっ｣
数時間後に出来たベッドはやっぱり双子用だからか、思ってたよりも大きい。
あらかじめ両親から送られていた布団を敷いて、そこに楽翔と海宙を寝かせた。
あなた｢うわぁ、可愛い･･･｣
思わず写真を撮って祐輔くんに送り付けてちょっとすると、もう戦いが始まった。
楽翔がお腹空いたと泣くとその泣き声で目が覚めた海宙が泣く。
楽翔は用が済んだら寝てくれるが海宙は用が終わって寝かせようとベッドに置いたら泣くからずっと抱っこしてなきゃいけない。
そうかと思えば今度は楽翔がトイレと泣く。
あなた｢なにこれ･･･地獄じゃん･･･｣
1人でも大変だというのを私は体験していないのに初めから2人もとなれば私も慣れてないしどうしたらいいか分からない。
その時、祐輔くんから電話だ。
野村『A！もう退院したんか！』
あなた｢うん。ついさっき家に帰ってきたよ。｣
野村『あ、じゃあ玄関のベッドとベビーカー見た？』
あなた｢うん。ちゃんと組み立てたよ。｣
野村『ありがとう！どうじゃ、2人は。』
あなた｢あー、うん。元気だよ。｣
野村『ほうかー。俺今日先発やけぇ、頑張って･･･』
あなた｢あ、ごめん祐輔くん！1回切るね！先発頑張って！｣
野村『え？ちょ･･･』
楽翔がまた盛大に泣きだし、やっと私の腕の中で寝始めた海宙もまたその泣き声で起きて盛大に泣き出した。
あなた｢はぁ〜･･･｣
夕方になると桜蘭が助けに来てくれたので割と助かったが、昼間はまじで戦いだった。
桜蘭｢そりゃさー、子育て経験全くないのにいきなり双子育てるんだからしんどい戦いだって。しかも旦那さんはほとんど家にいないし、両親もすぐ助けに来れないし？｣
あなた｢ほんと、今は桜蘭だけが頼りだよ･･･｣
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作者名：蒼暉 | 作成日時：2018年4月4日 15時
