86.〜Y.N〜 ページ37
初めて開幕投手に選んでもらって、初戦を見事勝利で飾った翌週。
俺は再び先発で指名されてて、2連勝を目標にブルペンで調整してた。
そしてミーティングをして、最終調整をしようかという頃。
緒方｢祐輔。今連絡があって･･･｣
野村｢？はい。｣
緒方｢奥さんが、病院に運ばれた。｣
野村｢え、｣
だって、出る時はあんな元気そうで･･･
緒方｢きっとお前がマウンドにいる時に産まれるということらしい。子供の為にも、頑張れよ。｣
野村｢･･･はい！｣
丸｢祐輔、いよいよじゃん！こりゃあ、勝たなきゃだな！｣
菊池｢Aさんも必死になって頑張ってたら、そりゃあ旦那としちゃあ2倍も3倍も頑張んなきゃだよなぁ！｣
野村｢ちょ･･･お前ら、プレッシャーかけるのほんとやめて。ただでさえ俺今心臓爆発しそう。｣
鈴木｢何言ってんすか。父親としての最初の仕事はかっこよくするべきでしょ！｣
野村｢誠也･･･｣
誠也は、Aが年下は恋愛対象外って分かったから諦めたってくらいAが好きだったんだ。
これは、絶対勝って病院向かわなきゃな！
･･･そして、試合は中々の好投。
打線も応援してくれて、リードしている。
6回表も0点に抑えてマウンドを降りる。
ベンチに座って水を1口飲むと･･･
緒方｢祐輔！･･･おめでとう。｣
野村｢･･･え、まだ終わってないですけど･･･｣
緒方｢奥さんだよ。無事産まれたって。｣
野村｢え･･･｣
だって、病院に着いたって連絡からまだ2時間しか･･･
初めての出産って、もっとかかるんじゃないの？
緒方｢かなりのスピード出産だが、母子共に健康、異常はなしだと。｣
監督の言葉を聞いていくうちに、腹の奥底から今まで感じたことの無い感情が込み上げてくる。
野村｢産まれた･･･俺、父親･･･？｣
緒方｢おめでとう、祐輔。お前も、奥さんも、よく頑張ったな。｣
何故か涙が込み上げてきた。
そこで6回裏の攻撃が終わり、打者達が帰ってきた。
丸｢･･･え、何、祐輔なに泣いてんの？｣
田中｢･･･もしかして、楽翔くん、産まれた？｣
安倍｢まじで！？Aさん超スピード出産じゃん！｣
新井｢祐輔･･･おめでとう。良かったな。｣
野村｢･･･はい！｣
そこから先は早かった。
試合は快勝、俺はシーズン開幕から2連勝。
早く病院に行きたいのに、ヒーローインタビューが入った。
野村｢病院行きたい･･･｣
安倍｢頑張れ、祐輔。Aさんは待ってくれてるから。｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 79人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蒼暉 | 作成日時：2018年4月4日 15時
