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あなた｢･･･ん？｣
小林さんの手紙を読み終わって、閉じようとした時、左手に違和感。
あなた｢これ･･･｣
左手の薬指に、キラキラと光るダイヤモンドがついた指輪がはめられていた。
どうして？いつの間に？私が寝てる間に祐輔くんが買ってきてくれたの？
次々と疑問が浮かんで、確認したいのに本人がいない。
けど、ずっと私に付きっきりで全然ボールを投げられてなかった祐輔の邪魔はしたくない。
うずうずしてると、ガラッとドアが開いた。
丸奥｢あら、橘さん！･･･じゃなかった、野村さん！もう目さめたのね、よかった。｣
あなた｢丸さん！ご心配をおかけしました･･･｣
男の子｢おねーたーん！ん！ん！｣
あなた｢おー、久しぶり〜。私のこと覚えててくれて嬉しいよ〜｣
優勝旅行ぶりに会った丸さんのお子さんの男の子は、私の姿を見るなり抱っこをねだった。
丸奥｢こら、野村さんはまだダメだよ。｣
あなた｢いえ、大丈夫ですよ。おいで。｣
腕を伸ばすとその腕にしがみついてベッドにのぼった。
丸奥｢すみません、ほんとに･･･優勝旅行の時も、何度も迷惑かけたみたいで･･･｣
あなた｢あ、全然！私も子供好きなので、むしろ嬉しかったです！｣
丸奥｢それならよかった。今日は、旦那さんは？｣
あなた｢あ、さっきまでいたんですけど、大瀬良さんからキャッチボールしようってお誘いが来たみたいで。｣
丸奥｢そうですか･･･｣
丸さんの奥さんはどこか不安そうな顔をしてる。
あなた｢なにかあったんですか？｣
丸奥｢･･･実は、最近カープの事務局に変な手紙が届いてるらしくて･･･｣
そこまで話した奥さんの雰囲気と、内容的にきっと祐輔くんファンから私への嫌がらせだろうな、って分かった。
あなた｢･･･大丈夫ですよ。私、それくらいの覚悟は出来てます。｣
丸奥｢え、｣
あなた｢球団で1番と言われるくらいのイケメンで、カープのエースである祐輔くんと交際0日婚したんですから。･･･まだ、結婚して間もないから偉そうなこと言えないんですけど。｣
腕の中の男の子が心配そうに私を見上げる。
強がりながら、腕が震えてるのが伝わってるのかな。
丸奥｢野村さん･･･頑張ってね、私達も応援してるから。大丈夫、プロ野球選手の奥さんはみんな一度は通る道だから。｣
あなた｢･･･はい。｣
男の子｢ゆーしゅけなら、おねーたんまもれるってぱぱゆってた！｣
舌っ足らずだけど、言いたいことはしっかり伝えてくれた。
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作者名：蒼暉 | 作成日時：2018年4月4日 15時
