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ふっと目を覚ますと、ツンとする匂いと真っ白な天井があった。
目だけで横を見ると、祐輔くんが私の手を握りながら真剣な顔で本を読んでいた。
声をかける元気すらなくて、握られてる手を強く握る。
祐輔くんがふっと顔を上げ、私と目があうと驚いたような嬉しいような顔をした。
野村｢A･･･おはよう。｣
あなた｢こ、こは･･･｣
野村｢病院じゃ。待ってな、今ナースコール押すけぇ。 ｣
あなた｢わ、たし･･･どれくらい･･･｣
野村｢1週間くらいは目覚まさんかった。ほら、こんなにたくさんの人がお見舞いに来てくれたんよ。｣
あなた｢1週間も･･･｣
祐輔くんが指さす方を見てみると、たくさんのプレゼントやお花が置いてあった。
体を起こそうとすると、激しい痛みが襲った。
あなた｢いっ･･･たぁ･･･｣
その様子を見て、祐輔くんが慌てて私の体を支える。
野村｢起きたばっかりなんやけぇ、無理したらいけん。色んなところに破片刺さったりしとったんやから。｣
あなた｢･･･あ、そっか･･･私、式の途中で、シャンデリアが落ちてきて･･･｣
ガラッとドアが開いたので、先生かと思ってドアの方を見ると、そこに居たのは卓也さんと西川さんと大谷さんだった。
西川｢こんにちは･･･あ、Aさん！目覚めたんですね！｣
中島｢ほんま･･･心配かけるんやなか。｣
大谷｢よかったぁ･･･1週間も目覚まさないから凄い不安になって！｣
あなた｢3人とも、どうして広島に･･･｣
野村｢自主練中でけっこう来てくれてるんよ。｣
あなた｢すみません、心配かけて･･･｣
そのまま少しだけ話して、3人は帰って行った。
そのあと先生が来て、検査を済ませるとまだ破片が残ってたりして体が上手く動かないこともあるからしばらくは入院が必要だと言われた。
野村｢･･･ほうか、しばらくは入院か。｣
あなた｢ごめんね。･･･あ、でも祐輔くんはもう自主練に入るのか。｣
野村｢うん。でも、たまに来るけぇ。｣
あなた｢ありがと。でもちゃんと自主練頑張ってね。来年も最多勝利投手に選ばれるように。｣
野村｢そうやな。来年も、智之に取られたらいけん。･･･あ、そや。Aがまだ寝てる時、智之と誠司がお見舞いに来てくれたんじゃけど、Aが目覚めたら2人で食べてって置いてってくれたんよ。｣
と、1番大きい袋を渡してくれた。
あなた｢これ･･･東京ばな奈だ。大きいやつ。｣
野村｢･･･ん、なんかまだ入ってるな。｣
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作者名：蒼暉 | 作成日時：2018年4月4日 15時
