75.〜Y.N〜 ページ26
久しぶりにAが高熱を出して、看病してたら寝てしまったので外の近くにある空き地で投球練習。
来シーズンからちょっとフォーム変えてみようかな･･･とか考えながら的にしてる大きめのドラム缶目掛けてボールを投げる。
すると同じく野球をしに来たのであろう近所の小学生たちが俺の姿を見て駆け寄ってきた。
｢野村選手ー！ぼくの投球フォーム見てー！｣
｢キャッチボールしてください！！｣
｢どうやったらコントロールよくボール投げれるんですかー！？｣
野村｢うん、全部答えてくから1個ずつな。｣
今シーズンは最多勝投手にも選んでもらったし入籍もしたしでいろいろメディアにも注目してもらったから、近所の小学生にも俺の認知度が上がったかもしれない。
小学生にとってカープの選手は誠也とかキクとか丸が多いから嬉しい。
｢野村選手、この辺に住んでるってほんとですか！？｣
これは･･･言ってもいいのだろうか。
Aのこともあるし、あまり言わない方がいい気もするが、この空き地で練習してる以上近くに住んでることはすぐにバレてしまうかもしれない。
野村｢野球の技術的なことにことにしような。｣
その時、後ろから聞き慣れた声が聞こえた。
あなた｢祐輔くん･･･｣
野村｢A？起きたん？｣
あなた｢うん。外から祐輔くんたちの声が聞こえたから気になって･･･｣
｢え！？野村選手の奥さん！？｣
｢ぶち美人じゃ！うちの母ちゃんに自慢しよー！｣
｢可愛いー！しかもぶち若ぇ！｣
野村｢あんまり大声出さんで･･･A病みあがりじゃけぇ･･･｣
あなた｢ご、ごめんね、私出てこない方が良かったっぽいね･･･｣
野村｢いや、大丈夫じゃけぇ･･･病み上がりなんやから家で寝ときんさい。ほら、お前らも家に帰り。母ちゃん心配しとるじゃろ。｣
俺がそう言うと小学生たちはまた野球教えてくださいねー！とかいいながら帰っていった。
あなた｢･･･囲まれてたんだ？｣
野村｢あのドラム缶に向かってボール投げてたらその音に反応してきたみたいじゃ。それより、A調子はどうなん？｣
あなた｢だいぶいいよ。祐輔くんのうどんも食べれたし。｣
野村｢薬は？｣
あなた｢飲んだよ。不味かったけど。｣
野村｢じゃあもう大丈夫やろ。後は、安静にしとき。｣
あなた｢はーい･･･祐輔くんは？｣
野村｢俺はもう少し練習したら戻るけぇ。｣
ホントは、病み上がりで顔が少し火照ったAに照れただけ･･･てのは内緒。
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作者名：蒼暉 | 作成日時：2018年4月4日 15時
