デッドボール~1~ ページ46
武田翔太side
交流戦やオールスターが終わって、やっといつもの日常に戻ってきた、はずだった。
久しぶりの楽天戦、遥汰は高校時代の先輩が初めてスタメン出場してるといつもよりテンションが高かった。
だけど、事件は起きた。
5回裏、ワンアウト2、3塁のチャンスで、遥汰の第2打席。
いつも通り、遥汰の名前がコールされると会場に響き渡る嵐の『夏疾風』。
若い女性のファンたちのきゃーっと言う声が響く。
ワンボール、ワンストライク、ツーストライク、ときた、次だった。
楽天の先発ピッャーからゆっくりと放たれたボールは、嶋さんのミットに収まることなく・・・遥汰に直撃した。
武田「遥汰!!」
ボールは遥汰の頭を直撃、ヘルメットはしていたものの吐血した。
さっきまできゃーっと歓喜で叫んでいた女性ファンの声が、悲鳴の方のきゃーっに変わる。
男性達もザワザワしてる。
遥汰はその場に倒れ込み、ピクリとも動かない。
チームのみんなは慌てて遥汰の元へ行き、声をかけたり叩いたりしてる。
嶋さんも1番に駆け寄って遥汰の反応を確かめてくれた。
一審も、二審も、三審も、本審も駆け寄ってきて遥汰に声をかける。
グラウンドに救急車が到着し、遥汰はぐったりとしたまま担架に乗せられて運ばれていった。
ピッチャーは形だけ帽子をとってことの成り行きを見守ってる。
俺はその姿に言い表せない怒りを感じた。
武田「お前・・・!」
俺はそいつの元へ行って、がっと胸ぐらを掴んだ。
柳田「翔太さん・・・!」
武田「お前、なにその態度?人が自分の投げた球で倒れたんだぞ?救急車で運ばれて。血まで吐いて。なんでそんな形だけの謝罪なの?もっと誠意をさぁ!」
ピッチャー「だって、わざとじゃねぇし・・・」
武田「わざとデッドボール与えるよーなやつはピッチャーになる資格なんかねぇよ!わざとだったらいいのかよ、んなわけねーだろ!」
ピッチャー「お、俺だってデッドボールやっちゃったの初めてで、どうしたらいいかわかんねぇんだよ!青木は運ばれていっちゃったし、俺は危険球で退場だし・・・」
武田「どうしたらいいかわかんねぇ、じゃねぇよ!!わかんねぇならわかんねぇなりにすることがあんだろ!俺が怒ってるのは遥汰に対するお前の態度で・・・」
俺がここまで怒るのは珍しいからか、ベンチからチームメイトや先輩達が俺をなだめに来た。
松田「翔太。これ以上やると、お前まで退場処分くらうぞ。1回ベンチ戻れ。」
武田「・・・」
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ユーロ(プロフ) - 共演は塩野瑛久君横浜流星君高杉真宙君志尊淳君佐野岳君飯島寛樹君でお願いしても宜しいでしょうか? (2019年6月18日 2時) (レス) id: 4c800c6e79 (このIDを非表示/違反報告)
ユーロ(プロフ) - リクエストです主人公が紅一点で映画に出演するというのをお願いしても宜しいでしょうか? (2019年6月18日 2時) (レス) id: 4c800c6e79 (このIDを非表示/違反報告)
ユーロ(プロフ) - 楽しく読んでいます (2019年6月18日 2時) (レス) id: 4c800c6e79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼暉 | 作成日時:2019年5月12日 23時