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真緒「・・・その、原田さんが母さんにフラれた恨みで父さんに罪を擦り付けたの?それだけのために、娘を殺したの?」
純「違う。原田祐樹が俺に罪を擦り付けたのは、結果に過ぎなかった。原田祐樹は男の子が欲しかったが、生まれたのは女の子。さらに、子供が生まれた2年後に妻を交通事故で亡くし、新しい妻は子供が嫌いだった。そして、2人は子供・・・原田るりはを虐待していた。2人ともいらないと思ってるものを何千万もかけて育てるのはバカみたいだと、原田るりはを殺害した。」
涼夏「そんな・・・!!」
純「だけど、自分の子供を殺したなんて社会的にマズイから、と考えた時に、俺らに擦り付けることを思いついたようで、アイツらの思惑通り、俺は警察に逮捕された。ニュースでも散々報道され、会社も辞めさせられた。だけど、茜音と、今日来てくれた刑事さん達のおかげで無事に俺の冤罪は晴らされ、原田祐樹とその妻は逮捕された。・・・これが、事件の一連の流れだ。」
涼夏「・・・」
茜音「分かったでしょ?私たちが、どうして2人にこのことを言わなかったか。この事件は、人間の1番嫌で醜い部分が至る所に滲み出てるんだよ。祐樹くんだけじゃない。私も、純だってそうだよ。」
真緒「・・・だから、俺やスズには言わなかったの?人間の汚い部分なんて見せたくないから。」
純「そうだ。それに、父親が昔逮捕されてたなんて分かったらいじめられる可能性だって・・・」
真緒「ふざけんな!!」
涼夏「お兄ちゃん・・・?」
真緒「なんだよ、それ・・・勝手に決めつけんな!思春期だとか、人間の1番嫌で醜い部分がどうとか、いじめられるだとか・・・色々理由こじつけて俺らに自分達の弱さ見せたくなかっただけだろ!」
純「真緒・・・」
真緒「俺は、今日母さんと警察の人の話聞いてびっくりしたよ!内容もそうだし、階段のところから聞いてたからイマイチ分からなかったけど、母さんの声が泣きそうだった!なんで、なんでそんな重くて辛いものを、たった2人で持とうとしてるの?俺やスズも一緒に持てば、半分の重さで、半分の辛さで済んだのに!」
茜音「・・・」
真緒「たった30年弱早く生まれたからって、俺たちを生んだからって、大人ヅラすんなよ!俺たちにも、弱さ、見せてよ・・・」
泣いてる。いつの間にか感情をあまり表に出さなくなった真緒が、私たちのために、こんなにボロボロ泣いてる。
純「そうか・・・ははっ、茜音、俺たち、親失格かもしれないなぁ。」
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ユーロ(プロフ) - 共演は塩野瑛久君横浜流星君高杉真宙君志尊淳君佐野岳君飯島寛樹君でお願いしても宜しいでしょうか? (2019年6月18日 2時) (レス) id: 4c800c6e79 (このIDを非表示/違反報告)
ユーロ(プロフ) - リクエストです主人公が紅一点で映画に出演するというのをお願いしても宜しいでしょうか? (2019年6月18日 2時) (レス) id: 4c800c6e79 (このIDを非表示/違反報告)
ユーロ(プロフ) - 楽しく読んでいます (2019年6月18日 2時) (レス) id: 4c800c6e79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼暉 | 作成日時:2019年5月12日 23時