頑張って克服しようとしてるんです ページ2
水上「…A、無理しなくていいんだよ。」
あなた「いえ…このままだと、皆さんに迷惑かけちゃうので、」
私は今、水上さんと2人でQuizKnockのオフィスのドアの前に立っている。
根岸くんの一件以来、男性しかいないオフィスに行くのが怖くて、色々理由をつけて休んでいた。
だけど、さすがにダメだろうと奮い立ったはいいものの足がすくんで動けなくなってしまったので、事情を知ってる水上さんに協力してもらったのだ。
水上「だから河野呼ぶよって。俺今日あいつに会ってさ、Aのこと伝えたら心配してたもん。」
あなた「いえ…これ以上、水上さんにも玄斗くんにも迷惑かけられないので、」
ドアノブに向けて差し出す腕が震える。
一度元の位置に戻してから、大きく深呼吸して再びドアノブに手を伸ばした。
…が、その腕は水上さんに寄って止められた。
あなた「…っ、みずかみ、さん?」
水上「迷惑、迷惑って…何が迷惑なの。俺らは、なんにも迷惑だなんて思ってない。伊沢さん達は事情を知ってる。Aが男性恐怖症だってことも、それで今苦しんでるってことも。」
あなた「…」
水上「だから、今はAはそれを克服することに集中すればいいんだよ。もちろんこれは慣らしていくことしか治療法はない。だから男しかいないQuizKnockのオフィスに行くのは1つの手かもしれない。だけど、それは逆に恐怖症を進行させるかもしれないんだよ。リスキーだし、あまりにも荒療治だ。」
あなた「でも、」
水上「…行こう、河野が待ってる。」
あなた「え?」
水上さんは私の腕を引くとオフィスに背を向けた。
そしてそのままいつかのお店に入る。
水上「ごめん、お待たせ。」
河野「いや、いいよ。…Aちゃん、大丈夫?」
あなた「…なんとか、」
玄斗くんの言う大丈夫か、はきっと、男である自分と水上さんの2人に挟まれて怖くないか、という意味だろう。
河野「顔上げて、俺の顔見れる?」
あなた「…」
私は下を向いたままじっとしていた。
水上さんにも、玄斗くんにもこんなことに時間を使わせてしまって申し訳ない、という思いでいっぱいだった。
特に今は2人とも大事な時なのに。
河野「…これは、思ったより重症かもしれない。」
水上「無理もないよ。恐怖症になった原因の人に会ったんだ。」
河野「凛ちゃんは?このこと、知ってるの?」
あなた「…一応、知らせてはあります。でも、大学も違うし家出る時間とかバイト先とかも違うから、あんまり…」
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蒼暉(プロフ) - ルキさん» そう言って頂けて凄く嬉しいです!これからも応援お願いします! (2019年11月18日 16時) (レス) id: 9d4d633b18 (このIDを非表示/違反報告)
ルキ(プロフ) - 蒼暉さん» お話面白いです!もしアンチコメあっても気にしないでいいと思います!更新頑張ってください (2019年11月10日 19時) (レス) id: 869b10849e (このIDを非表示/違反報告)
蒼暉(プロフ) - とまとさん» そう言って貰えて嬉しいです!更新頑張ります! (2019年11月7日 18時) (レス) id: 9d4d633b18 (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - 原因がウザすぎるのがいい味出してます笑 続き楽しみにしてます!!!!!! (2019年11月5日 20時) (レス) id: e419d23048 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい。ご本人様方に関係ないと言うならまずオリジナルフラグくらい確認して下さい (2019年10月11日 0時) (レス) id: fca7c03b31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼暉 | 作成日時:2019年10月10日 23時