2. ページ24
伊沢「…えっ、じゃあお互い誰か知らずにここまで一緒に来たの?」
鈴木「はい。伊沢さん最近お仕事忙しそうなので、きっと私の知らないお仕事関係の方だろうなと。」
あなた「私も…こんな複雑な道を迷わず進んでたので、局の関係者の方かなって…」
この話を聞いてから水上さんと鶴崎さんはソファの隅で肩を震わせてる。
互いのことを知らない私たちを見て伊沢さん、水上さん、鶴崎さんが何故か互いに互いを紹介してくれた。
そのおかげで彼女の名前を知れた。鈴木光さんと言うらしい。
どうやら彼女は伊沢さん、水上さん、鶴崎さんの仲間らしく、これから収録する『東大王』というクイズ番組のレギュラーの方らしい。
散々私は彼女を美しい美しいと言っていたが、私と二歳しか変わらないらしい(びっくり)。
鈴木「じゃあ、最近QuizKnockで話題の"あやせまる"さんって、綾瀬さんのことだったんですね。」
あなた「えっ、知っててくださってるんですか?」
鈴木「はい。一度お会いしてみたかったんです。あやせまるさんの記事がすごくおもしろくて読むの楽しくて。」
あなた「…え、あ、ありがとう、ございます、」
鶴崎「それで、Aちゃんはどうしてここに?」
あなた「あ、伊沢さんの忘れ物を。これであってます?」
伊沢「…あー、ありがとね!うん、あってる。よかったぁ、これがないと解説にも困るんだ、」
水上「伊沢さん、忘れ物届けにAをパシッたんですか?」
伊沢「まぁ、そう怒んなって。悪かったよ。」
…と、その時。
スタッフさんが慌てて飛び込んできて、伊沢さん達にコソコソと話をした。
伊沢「…はぁっ!?林くんが来れない!?なんで!」
スタッフ「親戚の方の法事が入ったみたいです。地方の方なので収録が終わってから向かうのでは間に合わない、と…」
水上「どうしようかな、サブの中の誰か来れるかな…ん、」
あなた「…」
水上さんはそう言うとふっと私を見た。
目が合ったのは分かったが、この状況でこの後何を言われるかなんて容易に想像出来る、とぱっと目を逸らした。
テレビに出るなんてゴメンだ、QuizKnockの動画にさえ顔出ししてないのに。
早押しクイズに特化したクイズ番組に魅力は感じるが、今の私のクイズの実力では東大王チームに貢献するどころか足を引っ張ってしまうだろう。
もしかしたらテレビに出たことでもう一生関わりたくない小学校の同級生達の誰かしらから連絡が来るかもしれない。
そんなのはもうゴメンだ。
267人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蒼暉(プロフ) - 現実逃避あるふぁさん» そう言っていただけて嬉しいです!これからも応援よろしくお願いします! (2019年10月2日 20時) (レス) id: 9d4d633b18 (このIDを非表示/違反報告)
現実逃避あるふぁ - このお話めっちゃ好きです!更新待ってます! (2019年9月28日 21時) (レス) id: 9e6e3a6762 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:蒼暉 | 作成日時:2019年9月8日 0時