線香花火【Ren.N】 (ページ14)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:9,618 hit

14 ページ14

.

『…何言っとんの？
当たり前、やろ…？』

状況の処理が追い付かない。

月明かりに照らされて、彼女の目元は光っていた。

なんか、この光景みたことある、。

鈍器で殴られたような痛みが頭に走った。

『い¨っっ…』

知ってる、はずやのに。
なんか、俺大事なこと忘れてる…？

「引き留めてごめん。
廉、帰ろ？」

来年も再来年も。
この先長いことずっと。

俺の中にはずっとAがいることにはかわりないはずや。

やのに。

『A、お前さ…

なんか俺に隠してない？』

一瞬、Aの方が小さく揺れたのを俺は見逃さなかった。

「なんのこと…？」

また、芯から笑えてない笑顔の仮面貼り付けて。

みてるこっちがしんどいっちゅーねん。

「廉、私今日用事あるから。
はやく帰らなきゃ。」

『まだ話は終わってないやろ』

「帰ってよ!!!!!お願いだから!!!!」

PM8:30。

自分の彼女がこんなにも必死になる姿を生まれて初めてみた。

.