検索窓
今日:6 hit、昨日:2 hit、合計:61,926 hit

8. ページ9






翌朝、

カーテンから差し込む太陽の光で目が覚めた。




「あれ、佐久間さんいない」




昨晩一緒にベッドに入ったはずなのに

佐久間さんの姿が見えない。




起き上がって部屋を見回してみたけど

やっぱりいない。




こんな高校生といるの嫌だったのかな。




そうだよね、きっと佐久間さんは

もっと大人の綺麗な女性が好きだよね。




こんなお子ちゃま相手にするわけないか。


私が寝るまで一緒にいてくれたことに感謝しなきゃ。




もう、帰ろう。









ぽたぽたと落ちてくる涙を手で拭いながら

帰る支度をしていた時、

ガチャリとドアが開いて

走ったのか、髪が少し乱れている佐久間さんが入ってきた。




『Aちゃん!?どうしたの!?』




玄関からバタバタと駆け寄ってきて

心配そうな表情の佐久間さんが私の目元を拭う。




『どうしたの?何で泣いてるの?』


「…佐久間さんが、いなかったから、」




私の事が嫌になって帰っちゃったのかと思って、と

続けて伝えれば、


『わっ!ごめん!』

佐久間さんは本当に申し訳なさそうな顔をしながら

私を抱き寄せて、嫌になんかなってないよ、

そう言ってくれた。























どうやら佐久間さんは

私の朝食を買いに行ってくれていたみたいで、

さっき焦った佐久間さんの手元から落とされた袋の中には

カットされたりんご、おにぎり、パンなどが入っていた。




あんまり食欲がわかなかった私は

おにぎりを一つだけ頂いて食べた、




一方佐久間さんは、私の隣で

口いっぱいにりんごを詰め込んで

まるでハムスターのようにもぐもぐと口を動かしていた。









「佐久間さん」


『んにゃ?どちた?』


「今日蓮と別れてこようと思います」




そう、これは昨日決めたこと。

他の子が好きな蓮をずっと縛って置くのは嫌だし、

それに、なんとなく、

今日佐久間さんに背中を押してもらえたら

前を向ける気がしたから。




『そっか、勇気出すんだね。偉いよAちゃん。』


「佐久間さん、一つだけお願い聞いてください」

「1回だけでいいので、ハグとキスをして欲しいんです」


『え?』




わたしの願いを聞いた佐久間さんは案の定驚いた表情。




「私頑張るので、お願いし」




私が言葉を言い終わる前に、佐久間さんは

ぎゅーーーっとハグをしてくれた。




そして、最後に交わしたキスは

さっき佐久間さんが食べていたりんごの味がした。




9.→←7.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (193 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
685人がお気に入り
設定タグ:佐久間大介 , SnowMan   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Ryuna(プロフ) - ななさん» コメントありがとうございます😖皆様に楽しんで頂けるようなお話が書けるよう頑張ります!! (2021年11月29日 7時) (レス) id: 15daca4bb2 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - テスト頑張ってください!次の更新も楽しみにしています😊 (2021年11月29日 0時) (レス) @page32 id: 389e3db5f6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Ryuna | 作成日時:2021年11月2日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。