林檎の蜜は恋の味《桃》

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あの日から1週間程経った。




あれから佐久間かんが何か言いたげに

私を見ていることがよくあるけど、

私は気づいていないふりをしてる。




だって今、佐久間さんと必要以上に関わったら

絶対好きになってしまうから。




叶うことの無い担任への恋なんて

私はしたくないから。




康二「なぁA、蓮きゅんが呼んでるで？」




お昼休み、ひなちゃんが委員会の集まりでいなくて

1人自席に座って本を読んでいた時。




じーこが私の前に立ってそう言った。




「え？蓮？なんで？」


康二「なんか話したいことがあるんやと〜」




じーこは私の脇腹に手を突っ込んで

後ろから抱えるようにして立たせ、




康二「ほらほら行ってき〜」




ぽんっと背中を押された。




ガヤガヤする教室の外を見れば、

ちょっと気まずそうにこちらを見ている蓮がいた。




ギャラリー引き連れてまで来ないで欲しい、

というのが私の本音。




「どうしたの？」


蓮「ちゃんと話がしたくて」


「私は話したいことなんてないよ」




私が少し冷めた返事をすれば

ほらね？

松村さん冷た〜いとコソコソ声が聞こえてくる。




だから学校で話しかけないで欲しいのに。




蓮のギャラリーうざったらしいんだよほんとに。




蓮「放課後また来るから。」




私の対応に不満気な表情をしていた蓮だけど、

一言、そう言い残して

ギャラリーを引き連れて帰って行った。




自分が決めたことはやり通す、

確かに蓮らしいっちゃ蓮らしいんだけど

自分がモテてるのを自覚して欲しい。




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