林檎の蜜は恋の味《桃》

21. ページ22

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あの日私だけが知っていた佐久間さんをみんなが知る、

そう考えるだけでなぜ心臓が痛くなるのか。




私にはよくわからない。




あの後、

ひなちゃんと話していたイタリアンのお店に行ったけど

どうしてかモヤモヤが晴れず、

ひなちゃんもいつものAじゃないと心配そうな顔をしていて、

ご飯を食べ終わってすぐ、




ひな「A今日は帰ってゆっくり休みな？」




と言われてしまって帰ってきた。




ベッドの上でぼーっと考えてみるけど、

どうして佐久間さんのことを考えると心臓が痛いのか。




さっぱりわからない。




だって会ったのはたった一度だけで、

あの日から今日まで会ってなかったんだし。




自分がこんな気持ちになってる意味もわからない。




今年は勉強に友達に沢山頑張らなきゃいけないのに

新学期初日からこんなんでいいのかな、、




佐久間さんが担任、まだ受け入れられない。

私が好きな日本史の先生が担任なのに、

成績が落ちそうな気しかしない。




「あああああああっもうっ！！」




幸い今日も家には1人だ。

こんな気分じゃ作る気にもなれないし

適当に買ってこよう。




ついでに明日のお弁当の材料も。




部屋着から軽く着替えて

スマホとマイバックを持ち家を出た。




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