林檎の蜜は恋の味《桃》

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ひな「ねえA！お昼どこ行く！？」




始業式、ということは

全国で見ても大体の学校が午前中で終わるだろう。




午前中で終わる日は

テストの前日とか、そういう日でなければ

ひなちゃんとランチするのがお約束。





今日もいつもの如く

にっこにこの笑顔を浮かべたひなちゃんが

ぴょんぴょんしながらこちらへ来た。




「ひなちゃん今日は何の気分？」


ひな「私今日パスタの気分なんだよね！」


「じゃあ駅前に出来た新しいイタリアンのお店にしようよ」


ひな「いいね！あそこ行ってみたかったんだ〜！」




そしていつもの如く、

今日もひなちゃんの気分のものを食べに行く。




なんで私の食べたいものを食べないのかって？




ひなちゃんが美味しそうに食べてる姿が

最っっっ高に可愛いから。




彼女オタクの彼氏みたいなこと言ってるけど

ほんとに可愛いんだから仕方ない。




幸せそうに食べてるひなちゃんを見るのが好きなんだ。




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私の帰り支度がおわって、

ひなちゃんと2人教室を出ようとした時。




『あっ！松村まだいた！』




ちょうど教室に入ってきた佐久間さんが私を呼んだ。




ひな「ちょっと先生〜！

今からAとランチなんだから邪魔しないでよね〜！！！

いくらイケメンでも許さないんだから！」




ほら、可愛い。

私のこと大好きなところも最っ高に可愛い。




『えぇ〜ごめんて！ちょっと生徒会の話聞きたくてさ』




ほんとに申し訳ないと思っているのか、

だんだんと語尾が小さくなっていくのが面白い。




「ひなちゃん待たせるのは嫌なので、15分ならいいですよ」


『ありがとう松村〜！！！』


「ひなちゃんごめんね、すぐ戻ってくるから」




行ってらっしゃい〜！という元気な声を聞きながら教室を後にした。




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