アイドルがやってきた７ ページ40
「うん…正直言うと、まだ未練はあるんだ。
選抜外された時も本当にショックだったし…」
「そっか…辛かったね…」
「ヌナに拾われた日も、１人でヤケ酒して酔いつぶれて…」
「あの日かぁ…」
お酒が強いジミンちゃんがあそこまでベロベロに酔うなんて相当な量を飲んでたに違いない。
「ダンサーの仕事もすごくやりがいはあるけど、やっぱりアイドルは夢なんだよね。僕にとって」
少し遠い目をしてジミンちゃんが言った。
「諦めないでよジミンちゃん…」
思わず手をきゅっと握る。
「ヌナ？」
「別に諦めなくても良くない？
ずっと夢追ったっていいじゃん」
それは私の願いだった。
ジミンちゃんにアイドルになってほしい。
キラキラに輝いて夢を叶えてほしい。
「でも…」
「ごめんね、私は素人だから芸能界のことはよくわかんないんだけど…
どうしても可能性がゼロだなんて思えないの」
だってジミンちゃんはこんなにも魅力的なんだもん。
「……」
それから彼は何かを考え込むような真面目な表情で黙り込んだ。
勢いに任せてちょっと出しゃばり過ぎたかな。
ハラハラしながら見守っていると、
「ありがとうヌナ……
僕、諦めないでいいのかな」
「いいよ！諦めないで！」
ジミンちゃんの目に少し光が宿った気がした。
「ふふ、ヌナって不思議な人だね。
もうアイドルにはなれないって思ってたのに…
ヌナに言われたらなんか希望が湧いてきた気がする」
「ほんとー？よかったぁ！」
「うん…とにかく今は目の前の仕事頑張ってみる。
それでチャンスがあれば死ぬ気で飛びつくよ」
意志の強い瞳がまっすぐ前を見ていた。
「頑張ってジミンちゃん！私めちゃくちゃ応援するよ！」
なんだか自分のことみたいに嬉しい。
「ありがとう。
もしダメだったとしても…僕にはヌナがいるもんね」
そう言ってふわっと微笑んだ。
「そうだよ！私がいるんだから安心して挑戦してきて！」
「あはは！もう、ヌナってなんでそんな親身になってくれるの」
「えへへ…
…私はさ、夢とかそういうのなかったから、ある意味ジミンちゃんが羨ましいの。
だからね、絶対叶えてほしいんだ」
「嬉しい…。そんな風に言ってもらえて。
ヌナがいてくれたら何でもできそうな気がする」
ジミンちゃんが私の手を両手で包み込んだ。
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もりぞう(プロフ) - すみれさん» ありがとうございます！！嬉しいです(^^) (5月31日 11時) (
レス) id: a002e2b5b9 (このIDを非表示/違反報告)
すみれ - 素敵なお話ですね。 (5月19日 18時) (レス) @page28 id: edc49f412e (このIDを非表示/違反報告)
もりぞう(プロフ) - miiさん» コメントありがとうございます！好きと言ってもらえてとても嬉しいです(^^) (2021年8月18日 20時) (レス) id: a002e2b5b9 (このIDを非表示/違反報告)
mii(プロフ) - はい、好きー (2021年8月18日 7時) (レス) id: d47eb74ff4 (このIDを非表示/違反報告)
もりぞう(プロフ) - けろるさん» コメありがとうございます！最高過ぎなどと言ってもらえて本当嬉しいです(〃ω〃)これからも頑張りますー(*´∇｀*)よろしくお願いします！ (2019年2月25日 22時) (レス) id: a002e2b5b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もりぞう
| 作成日時：2019年2月3日 20時
