お迎え３ ページ19
そう呟いて顔を覗き込まれた。
「え？」
急に話を振られて驚くと
「ふふ、たまには貸してくださいよね」
女の子は妖艶な笑みを浮かべた。
「何言ってるんですか…「いやです」」
ジミンちゃんが間に入ろうとしたところで私が遮った。
まさかの反論に女の子もジミンちゃんも驚いて私を見た。
「あ…えーと、貸すとかそういうのって…違うと思うんで」
自分でも何でムキになってしまったのかわからない。
「ヌナ…」
ジミンちゃんが目を丸くして呟く。
「じゃ、じゃあ私達はこれで。
お金ここ置いときますねー！」
お店の人に声をかけてから代金をテーブルに置いた。
「ジミンちゃん、行こ」
「うん」
そして私は彼の手を掴んで店を出た。
何となく怖くてあの女の子の方は一度も振り向けなかった。
通りに出たところで立ち止まると、手を離してジミンちゃんの方に向き直る。
「か、勝手なことしてごめん」
久しぶりに会って他に話したいこともあったかもしれないのに、つい勢いで出てきてしまった。
「どうして謝るの。嬉しかったのに」
ヘコんでいる私とは対照的にジミンちゃんはなんだかご機嫌だった。
「え、でも…久しぶりに会ったんじゃないの？」
あの女の子の方はまだ話したかったように見えた。
「別に会いたくなかったし。ヌナが連れ出してくれて助かったよ」
そう言ってふわっと微笑んだ。
「そ、そうなの？……ならよかったんだけど」
後から冷静になると自分の行動が独占欲丸出しみたいで無性に恥ずかしくなってきた。
「ねぇ、聞いてもいい？」
「え？」
ジミンちゃんが私の手を握る。
「どうして…いやだって言ったの？」
「あ…」
改めて追求されると恥ずかしさで顔が熱くなってきた。
「ヌナ？」
そんなふうに優しく顔を覗き込まれたら、もう覚悟を決めるしかない。
「ジミンちゃんにあの子のところに行ってほしくなかったから…」
正直に告げると彼が驚いたように目を見開いた。
そして握った手にきゅっと力がこめられる。
「それに、貸すとかそういうの…いやだったし。ジミンちゃんはモノじゃないのにって思ったし…。その…」
ぶつぶつと言い訳している途中でジミンちゃんが
「あーもー…我慢できない」
と呟いてぎゅっと私を抱き寄せた。
「ええっ」
びっくりして声を上げてしまう。
驚く私にはお構いなしにガッチリと腕の中に収められた。
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もりぞう(プロフ) - すみれさん» ありがとうございます！！嬉しいです(^^) (5月31日 11時) (
レス) id: a002e2b5b9 (このIDを非表示/違反報告)
すみれ - 素敵なお話ですね。 (5月19日 18時) (レス) @page28 id: edc49f412e (このIDを非表示/違反報告)
もりぞう(プロフ) - miiさん» コメントありがとうございます！好きと言ってもらえてとても嬉しいです(^^) (2021年8月18日 20時) (レス) id: a002e2b5b9 (このIDを非表示/違反報告)
mii(プロフ) - はい、好きー (2021年8月18日 7時) (レス) id: d47eb74ff4 (このIDを非表示/違反報告)
もりぞう(プロフ) - けろるさん» コメありがとうございます！最高過ぎなどと言ってもらえて本当嬉しいです(〃ω〃)これからも頑張りますー(*´∇｀*)よろしくお願いします！ (2019年2月25日 22時) (レス) id: a002e2b5b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もりぞう
| 作成日時：2019年2月3日 20時
