ジミン先生１ ページ42
「ヌナそこ違う。ステップ左右逆だよ」
「あ、腕下がってきてるから気をつけて」
「今のところワンテンポ遅れてたね。もう一度最初から」
ただいまジミン先生によるダンスの猛特訓が行われています。
なぜそんなことになっているのかというと…
今から少し前のこと。
「ハン・A、ちょっと来て」
「はい！」
直属の上司である女部長に呼ばれ弾かれるように席を立った。
この方いわゆるバリキャリのデキる女代表みたいな人で、私はひそかに苦手なのだ。
早足で彼女のデスクに向かうと
「あなた、ダンス踊れる？」
唐突にたずねられた。
「いえ、踊れません」
正直に答える。
「じゃ練習して。今度の創立記念パーティーで女子社員の有志で余興をやってもらうことになったのよ」
「は、はぁ」
「本当は今年の新入社員だけでやってもらうつもりだったんだけど、1人怪我で踊れなくなっちゃってね。だからその穴埋めってわけ」
事もなげに言われる。
「えっと…なぜ私なのでしょう？」
恐る恐る聞いてみる。
今年28になる私が新入社員の若い女の子に混ざって踊るのはかなりバランスが悪そうだ。
「あなた歳の割には幼い顔してるし、一番違和感なさそうだと思って」
バッサリと言い切られた。
要するに童顔ってことですよね…
はい、よく分かってます。
「やってくれるわね？」
にこっと微笑みかけられる。
「は、はい。やらせていただきます…」
上下関係の厳しいこの国において、断るという選択肢などはなから用意されていない。
私はガックリと肩を落として席に戻った。
そして仕事を終えて家に帰ると、すぐさま渡された振り付けDVDを観ながら練習を開始した。
「あ……これ無理だ………」
何度見ても全くもってどう踊るのかが分からない。
「えっと…こう？……いや違うな。こうか？」
何とか見よう見まねでやってみるものの、姿見に映る自分のお粗末な動きに落胆する。
しかしやめるわけにもいかず、その後もへっぽこダンスを必死に踊っていると
「ただいまー」
ジミンちゃんが帰ってきた。
「はぁ、はぁ、お、おかえりー」
「えっヌナ何してるの？汗だくじゃん」
リビングに入ってきたジミンちゃんが私を見て驚く。
「はぁ、あの、会社のパーティーの余興で、はぁ、ダンス踊ることになってね…」
荒い息を整える。
「そうなんだ！ヌナダンスできるの？」
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もりぞう(プロフ) - すみれさん» ありがとうございます！！嬉しいです(^^) (5月31日 11時) (
レス) id: a002e2b5b9 (このIDを非表示/違反報告)
すみれ - 素敵なお話ですね。 (5月19日 18時) (レス) @page28 id: edc49f412e (このIDを非表示/違反報告)
もりぞう(プロフ) - miiさん» コメントありがとうございます！好きと言ってもらえてとても嬉しいです(^^) (2021年8月18日 20時) (レス) id: a002e2b5b9 (このIDを非表示/違反報告)
mii(プロフ) - はい、好きー (2021年8月18日 7時) (レス) id: d47eb74ff4 (このIDを非表示/違反報告)
もりぞう(プロフ) - けろるさん» コメありがとうございます！最高過ぎなどと言ってもらえて本当嬉しいです(〃ω〃)これからも頑張りますー(*´∇｀*)よろしくお願いします！ (2019年2月25日 22時) (レス) id: a002e2b5b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もりぞう
| 作成日時：2019年2月3日 20時
