ジミンちゃんと付き合っています。２

攻守交代４ ページ14

「今から…」



会ってまた嫌な態度を取ってしまったらどうしよう…



そう思うとすぐに返事ができなかった。



『だめ？』



「…今日は、やめとこうかな。ジミンちゃんも疲れてるだろうし」



『別に疲れてないよ。なんで？



僕に会いたくない…？』




傷ついたような声に胸が痛む。




「そういうわけじゃないんだけど…」



『じゃあ今から僕がヌナの家に行く』



「ええっ、だ、だめだよ！撮られたりしたらどうするの」



『構わない。今日ヌナに会えない方が嫌だ』



断固とした意志を感じる。



これはもう何を言ってもだめなやつだ。



「わ、わかった！私が行くから」



『ほんとに？』



「うん。すぐ用意して出るね」



『よかった…。待ってるから』



ジミンちゃんがホッとしたように言った。




それからパパッと着替えてタクシーでマンションに向かう。





「ヌナ…来てくれてありがと」



鍵を開けて玄関に入るとすぐにジミンちゃんが出迎えてくれた。



「ううん。えっと、お邪魔します…」




なんとなく態度がぎこちなくなってしまう。



そしてリビングのソファーに並んで腰掛けると、



「ヌナ…」



ジミンちゃんがぎゅっと肩を抱き寄せた。



鼻をくすぐる彼の香りに胸が苦しくなる。



「まだ…怒ってる？」



ジミンちゃんが優しく問いかける。



「ううん、怒ってないよ」



ふるふると首を振ると、少し体を離されて向かい合った。



「なんで急に帰っちゃったか、聞いていい？」



うーん、やっぱり言わないと…だめだよね。


覚悟を決めた。




「カウンさんと一緒のとこ見たくなかったから…」



「え、カウニヌナ？」



予想外の答えだったのか目を丸くしている。



「だって…すごい仲よさそうにしてるし…」



「え、じゃあ…もしかして怒ってたのってヤキモチやいてたからなの？」



ずばり言い当てられると恥ずかしくなってコクンと小さく頷いた。



すると、




「そうだったんだ…」




ジミンちゃんがにこーっと笑顔になって顔を近づけてきた。



なんとなく悔しくてつい顔を背けてしまう。



「……」



「こっち向いてくれないの？」



「…やだ」



「もーヌナぁ」



困ったようなその言い方がちょっと可愛い。



「ジミンちゃんさ…カウンさんといつもあんな感じなの？」



チラッと横目で見ながら聞くと、



「あんな感じって？」



「その…くっついたり、体に触ったりとか…」

攻守交代５→←攻守交代３

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す