【名探偵コナン】 紅の花嫁3

107話 降谷side ページ12

【盗聴器、監視カメラが何台かあるみたい。どういう事かしらね】

ちづるがスマホのメモに打ち込んだ文章を見る。
わざと見えるような角度にしてある所は流石だ。

【それから、今日の沖矢昴からはタバコの匂いがしない。禁煙でもしてるわけ？ ま、この家からは微かにタバコの匂いするけどネ】

いつ吸おうが奴の勝手だが…………気になるな。

沖矢昴の出したお茶を飲んだちづるは

「このお茶飲んじゃダメです！！」

と言って眠ってしまった。お茶は少し乱暴にテーブルの上に戻していた。律儀か。

いや、それよりも

「お茶に何を入れたんです」

「風邪気味なもので、少々強めの風邪薬を溶かして飲もうと思ったんです。私のと間違えちゃいました」

「本当に風邪薬なんですか？」

「副作用として眠くなる、と医者に言われましてね。普段こういった薬を飲まない人が飲むと、すぐに眠ってしまうらしいです。害はないのでご安心を」

何がご安心をだ。ふざけるな。

「みゃー！」

ユキが心配そうにちづるの顔を舐めている。

「あなたのご主人は少しお休みになっているだけですよ。大丈夫で……」

「ふあ"っ！」

おお…………。ものすごい警戒されてるぞ。
いや、警戒どころの話じゃない。本能的に威嚇してる。

「ふゔー！！」

あのユキがここまで毛を逆立てて怒るなんて…………余程嫌いなんだな。

眠るちづるの頭を膝に乗せ

「もう一度聞きますが、ミステリはお好きですか？」

さぁ、素顔をさらけ出してもらうぞ。FBI！

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