55話 ページ7
「これ以上くだらない話に付き合う時間はありませんわ。どきなさい」
家康自身、これほどまでとは思っていなかった。明智が裏切ると伝えた時の馨の表情からある程度は察していたが、馨の抱える悲しみがこんなにも強いとは思ってもいなかった。
「ではあの話をしてもいいと？」
動揺からか、気が付けばそう口走っていた。あの話、とはもちろん馨の隠し事の話。
家康は話すつもりはなかったのだが、何故かそう言ってしまった。おそらく、無意識のうちに馨に行って欲しくないと思い、焦ったのだろう。
待て、と訂正しようとしたが時既に遅し。
馨はゾッとするほど冷たい笑みを浮かべていた。誰かの息を呑む音が聞こえる。
「どうぞご自由に。話した後のあれこれに責任を取る覚悟がおありなら」
「……っ」
思わず、家康は半歩後退ってしまった。それに気付き、ため息を吐きながら教室を出て行った。
馨も、家康とは反対方向へと進み、教室から出て行ってしまう。
残されたクラスメイト達は、ようやく終わったと言わんばかりに安堵のため息を吐いた。
「っは〜〜〜！ 美女の真顔ほど怖いもんないわ……鳥肌立ったんやけど！！ てゆーか、何やのあいつ。馨ちゃんが着いくわけないやろ」
「それより、馨ちゃんは気になった事を言っていた。なぁ、伊達」
「ああ。裏切りも期待外れももう慣れた、と。加藤、馨嬢に一体何があったんだ？」
「そういや、あの話、とかなんかも言っとらんかった？」
ほとんどの事情を知っているだろう加藤に視線が集まる。加藤は黙ったまま、俯いていた。
「何でこうなるくさ…………」
これまで、馨が加藤以外の人間を信頼するなんて事は今までなかった。それにも関わらず、今回明智と契約して彼を信用しようとしていた。
それは、どう考えてもこのクラスが原因だった。いい影響を受けているのは明白で、銀杏高校に入学してから馨は毎日楽しそうに過ごしている。
ころころと表情を変える馨を見るのが好きだった。旗印戦という危ないものもあるが、それは自分が守ればいい。そうして何事もなく平穏に、日々を過ごして欲しかった。
馨が傷付かず幸せに暮らして欲しい。それが加藤の願いだった。なのに…………。
「馨………………」
「加藤……」
キツく握られた拳に爪が食い込む。
脳裏には、幼い頃の馨の姿が浮かんでいた。
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Chiharu(プロフ) - ミルクチョコさん» コメントありがとうございます！ なるほど、須賀君かっこいいですもんね〜！ ドラマ見たあとしばらくハマってました笑 犬飼君とか笑 最近更新なくてすみません！ 読んでくれてありがとうございます😭 (2023年1月13日 22時) (
レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
ミルクチョコ(プロフ) - 私は加藤くんですね！Chiharuさんのお気持ちわかります！まあ好きな理由はその役をやっている須賀健太君が好きなだけなんですけどねｗｗ (2023年1月12日 17時) (レス) @page8 id: 90f93b6301 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - オタくん♀さん» コメントありがとうございます！ これからもそう言っていただけるよう頑張りますね！ (2022年12月12日 18時) (レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
オタくん♀(プロフ) - 好きです! (2022年12月10日 20時) (レス) @page30 id: 487a14ebf8 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - ふゆうさん» コメントありがとうございます！ きゅんきゅんゲームはキンプリのライブDVDに収録されているコントコーナーのものです！笑 実際のセリフをほぼ丸パクリしてるだけですので……！ それでも楽しんで頂けたようで幸いです！ (2022年10月22日 18時) (レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Chiharu | 作成日時：2022年10月7日 17時
