59話 ページ11
「そうだ竹ちゃん様、私みやび様を探しているのですが……何処にいらっしゃるかご存じでしょうか?」
「知らねえけど……まだ教室にいるんじゃねえの」
「ありがとうございます! ああ、それと。飴もありがとうございました」
「おー」
竹中は馨に背を向けたまま片手を上げて何処かへ行ってしまった。それを見送った後、左手に煙管を持ち右手で飴を支えながら、みやびを探して歩く。
その途中、悲鳴を上げながら逃げる男子生徒2名を見かけ、彼らが逃げてきた方向に進んでみた。
「あらみやび様」
「馨さん! 馨さんも見ましたか? 彼ら、何かから逃げているようでして……」
「ええ、私も気になってこちらに来てみれば……みやび様を探していましたので、会えてよかったですわ」
「私を……?」
「はい、徳川様の旗印の件で。あまり1人にならない方が得策そうでしたので…………ご一緒しても?」
「もちろんです! 実は1人だと心細かったので、馨さんが一緒にいてくれるのなら安心です」
みやびと馨が行動を共にするのは久々だった。みやびは信長と、馨は加藤とほぼ常に一緒にいたからだった。
「じゃあせーので開けましょうか」
そこは柔道などの武術を行うための教室。先ほどの男子生徒の反応を見る限り、そこに何かあるのは明らかだった。
家康がいないとも限らず、1人で開けるのは得策とは言えない。
「1人より2人、ですわね」
「はい!」
馨も自分と同じ気持ちだったと知り、みやびはこんな状況であるにも関わらず笑顔を浮かべた。
「まあ……何なんですのこれは……」
教室のど真ん中、机が塔のように積み上げられており、その頂上には家康の立てた旗印『誰かを倒す』が置かれていた。よくもまあこれだけの高さまで積み上げたなと、逆に感心してしまいそうだ。
警戒しながらも近付き、その周辺を見ていると……
「! な、」
ボコボコにされた1人の男子生徒が見るも無残な姿で縛り付けられていた。
「キャ〜!」
「ぁ、あぁ……!」
驚きのあまり腰を抜かした馨は、その場にしゃがみ込んでしまい、白目をむいた彼を直視してしまう。
思わず叫びそうになるが、ぎりぎりで堪え立ち上がりみやびにしがみつく。
「大丈夫です馨さん……今すぐ皆さんに連絡を入れましょう」
「っ、ええ」
みやびがカードフォンでクラスの皆を呼び出している間、馨はボコられた生徒の救出を試みていた。
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Chiharu(プロフ) - ミルクチョコさん» コメントありがとうございます! なるほど、須賀君かっこいいですもんね〜! ドラマ見たあとしばらくハマってました笑 犬飼君とか笑 最近更新なくてすみません! 読んでくれてありがとうございます😭 (2023年1月13日 22時) (レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
ミルクチョコ(プロフ) - 私は加藤くんですね!Chiharuさんのお気持ちわかります!まあ好きな理由はその役をやっている須賀健太君が好きなだけなんですけどねww (2023年1月12日 17時) (レス) @page8 id: 90f93b6301 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - オタくん♀さん» コメントありがとうございます! これからもそう言っていただけるよう頑張りますね! (2022年12月12日 18時) (レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
オタくん♀(プロフ) - 好きです! (2022年12月10日 20時) (レス) @page30 id: 487a14ebf8 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - ふゆうさん» コメントありがとうございます! きゅんきゅんゲームはキンプリのライブDVDに収録されているコントコーナーのものです!笑 実際のセリフをほぼ丸パクリしてるだけですので……! それでも楽しんで頂けたようで幸いです! (2022年10月22日 18時) (レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Chiharu | 作成日時:2022年10月7日 17時