48話 ページ50
「そういえば私、図書館にはまだ行っていませんでしたわ。校内を5周ほどしましたのに」
「5周」
「そうなんです。はあ、うっかりしていましたわ。徳川様が行くわけないという先入観もありましたかしら」
そうなのだ、馨はふらふらと当てもなく散歩をしていただけて、廊下や空き教室や音楽室などを適当に見て回っていただけで、やや離れた所にある図書館には全く足を向けていなかった。
「明智様がいるとしたら……そこですわね」
行ってきますわ、と言い立ち去る馨の後ろ姿を見て、傷付かなければいいのに、と思いながらその姿が見えなくなるまで見つめていた。
一方馨。図書館を目指し少し早めに歩いていく。早く明智に会って話がしたいという思いからか、図書館につく頃には駆け足になっていた。
少し重めのドアを引き、中に入る。
「明智様、いらっしゃいますか……？」
「山崎さん？ どうしたんですか？」
「ああ、よかったいらっしゃいましたわ……」
実は先程まで信長とみやびがいたのだが、今は席を外している。
「急に申し訳ございません。どうしても確認したいことがございまして」
「僕に……だよね。何かな」
明智の目をまっすぐ見て、言うか言わないか迷ったが結局言う事にした。不安は早々に解消しておいた方がいいに決まっている。
知らないうちに手に力が入っていたらしく、一度深呼吸をしてからもう一度明智の顔を真っ直ぐに見る。
「明智様。旗印戦、負けるつもりはありませんわよね？ 徳川様と実はグルで、私含め反家康同盟の皆様方を裏切るおつもりは……」
捲し立てるようにそう言うと、明智は慌てて首をぶんぶんと横に振る。ついでに手も一緒になって振られている。
「そんな事しませんよ……！ 約束したじゃないですか！ それとも……僕なんかはやっぱり、信用できませんかね」
「……いいえ？ そんな事ありませんわよ」
嘘だった。馨は初めから明智を信用などしていなかった。しかし、完全に信用していないというわけでもなかった。信用しかけている、といったところだろうか。だからこそ、裏切られるのが何よりも怖いのだ。
「そう言っていただけて安心ですわ。ごめんなさいね、突然……」
「いえ、お気になさらず……」
何を話していいか、気まずい雰囲気が流れる図書館に
「何をしているうつけども」
気怠げな声が響いた。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
今日中には続編出したいな。
がんばろう……！
出せた〜！
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タカコ(プロフ) - 嬉しいです！楽しみにしてます！ (2022年10月6日 11時) (
レス) id: e1a7229537 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - タカコさん» 旗印戦のあれこれは本編にねじ込む予定です。馴れ初めは番外編に入れてもいいかもしれませんね！ ご意見ありがとうございます！ 近日中に出す続編でも番外編について触れてみようと思います！ (2022年10月6日 11時) (レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
タカコ(プロフ) - はい、最終回後の話やドラマでは無かったオリジナルの旗印戦、加藤くんと夢主ちゃんの馴れ初めなんかを読んでみたいです(*≧∀≦*) (2022年10月6日 8時) (レス) id: e1a7229537 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - タカコさん» コメントありがとうございます！ 今のところ考えてはいませんが、こういうシチュエーションが見たい！ という希望が多く集まればやる可能性もあるとは思います。最終回より後の話を番外編にするのもアリですね🤔 (2022年10月6日 2時) (レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
タカコ(プロフ) - Chiharuさん、一つ質問します。この小説の番外編って作る予定は無いですか？ (2022年10月5日 23時) (レス) id: 3e1c504208 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Chiharu | 作成日時：2022年9月25日 5時
