1話 ページ3
「ふむ……困りましたわね」
銀杏高校門前で、一人の女が立ちすくんでいた。理由は簡単。迷子である。
「旦那様とはぐれてしまいましたから、校門に戻ってきてみれば……」
女の視線の先にはジャージを着た十数人の生徒と、一人の女子生徒の姿が。どう見ても、微笑ましい光景ではない。
「あら……どういたしましょうか」
女子生徒の鞄が投げ捨てられた。助けに行こうか迷ったが、足手纏いになる未来は確実だった。再び、どうしましょう、と悩んでいると、金髪の男がやってきて不良らしきジャージ姿の生徒たちを地に伏せさせていた。
その後、女子生徒と金髪の男の会話を盗み聞きし、それぞれ日下部みやび、織田信長、という名前を知った。
信長が去った後、未だ呆然としているみやびの元に、小走りで駆け寄った。
「すみません。先程、見ていただけで何もできませんでした。どう頑張っても足手纏いになると思ってしまって……」
「いえいえ！ 私はこの通り無事ですから。それに、あなたに怪我がなくてよかったです。私は特進クラスの日下部みやびと申します」
「お優しいのですね、日下部様は。同じクラスの山崎馨ですわ。よろしくお願いいたしますね」
「あ、よろしければみやびと、お呼びくださいませ」
「よろしいのですか？ ではみやび様。ぜひ私の事も馨、と呼んでくださいまし」
「はい、馨さん」
行きましょうか、と2人が歩き出した瞬間、後ろから声が聞こえてきた。
「あ〜あ〜あ〜あ〜、アホなやっちゃなぁ」
振り返ると、倒れている生徒たちの間を楽しそうにステップを踏みながら、小柄な生徒が近付いてきていた。
「大丈夫？ 怪我してへん？」
小柄な生徒はみやびの手を握ったが、速攻で手を離された。
「大丈夫でございます」
「そっちの子……も大丈夫やな。後ろから慌てたように見とっただけやし」
「ええ、大丈夫ですわ。けれど、これはおやめくださいな。私には心に決めた相手がおりますので」
離された後に馨の手を握ろうとしたが、やんわりと断られてしまった。シュンとする生徒とは違い、みやびはこれでもかという程に目を開いていた。
「心に決めた相手！？ とな！？」
「はい、そうなのです。一緒に来ていたのですが、はぐれてしまいまして……」
「じゃあ俺らと一緒に行こうや！ そうしたら見つかるかもしれへんやろ？ あ、俺特進クラスの豊臣秀吉。よろしくね」
その名を聞いた途端、これまたみやびが目を見開いた。
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タカコ(プロフ) - 嬉しいです！楽しみにしてます！ (2022年10月6日 11時) (
レス) id: e1a7229537 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - タカコさん» 旗印戦のあれこれは本編にねじ込む予定です。馴れ初めは番外編に入れてもいいかもしれませんね！ ご意見ありがとうございます！ 近日中に出す続編でも番外編について触れてみようと思います！ (2022年10月6日 11時) (レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
タカコ(プロフ) - はい、最終回後の話やドラマでは無かったオリジナルの旗印戦、加藤くんと夢主ちゃんの馴れ初めなんかを読んでみたいです(*≧∀≦*) (2022年10月6日 8時) (レス) id: e1a7229537 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - タカコさん» コメントありがとうございます！ 今のところ考えてはいませんが、こういうシチュエーションが見たい！ という希望が多く集まればやる可能性もあるとは思います。最終回より後の話を番外編にするのもアリですね🤔 (2022年10月6日 2時) (レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
タカコ(プロフ) - Chiharuさん、一つ質問します。この小説の番外編って作る予定は無いですか？ (2022年10月5日 23時) (レス) id: 3e1c504208 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Chiharu | 作成日時：2022年9月25日 5時
