18話 ページ20
「難しい顔をなさっていますわね、皆様方」
翌日の教室では、秀吉はやはり強いのではないか、という話で持ちきりだった。加藤や馨も例に漏れず、友人らと話し合っていた。ただ、メンツがメンツだけにかなりガラが悪い。
「私が言うのもアレですが、豊臣様は皆様方に比べてかなり小柄ですわ。それで喧嘩がお強いのであれば、この先脅威になりかねませんわね」
加藤の膝の上で足をぷらぷらさせながら、いつもの飴を食べる。昨日、普通の飴の味を知ってしまったからか、いつにも増して苦く感じるソレに顔を顰めさせた。
「皆さん、公認旗印が提出されました。旗印提出は、特進クラスの豊臣秀吉君」
昨日の今日で旗印を出した秀吉に、教室内がざわついた。そんな彼は楽しそうにステップを踏んでいるが。
「秀吉くんが出した旗印はこちらです」
「あら……」
てっきり喧嘩なのかとばかり思っていたが、実際は『１時間以内に酒井忠次と榊原康政を茶で倒す』というものだった。茶で倒す、とはどういう事なのだろうか。
その答えは旗印戦が始まりようやくわかった。
「お茶！？」
あの伊達が眼帯を外し両の眼でスクリーンを見つめる。見えていたのか、それは。
「今から出すお茶の産地を当てた方が勝ちとなります」
「これはお茶の種類を当てる茶歌舞伎！」
「茶歌舞伎！？」
クラスのほぼ全員が復唱した。確かにこの現代において耳にする言葉ではないため、初めて知る者もおおいだろう。
「それでは旗印戦、お茶当て……開始」
法螺貝の音が鳴った直後、酒井と榊原が差し出されたお茶を手に取り飲み干した。
(マナー悪すぎませんか……)
味を確かめ、顔を見合わせ頷き合い…………
「「爽健美茶！！」」
「不正解」
「「分かるわけねぇよ！」」
「ふっ、ふふ……真面目な顔して爽健美茶って……ふ、おばかさんですの？ ふふ、」
お茶の産地と言われていたのにも関わらず、お茶の種類を答えた2人が面白くて仕方なかったのだろう。またも小刻みに身体を震わせながら笑っていた。
「そもそもっ……爽健美茶は茶色じゃありませんか……！！」
息ができなくなる程笑う馨につられ、何人かが笑う。あの二人、実は味覚オンチだったりするのだろうか、と。
そしていよいよ秀吉の番。
「まあ！ 綺麗！」
「見事な所作」
女性陣が口をそろえて褒めるため、皆思わず感心した。
「京都、通圓の宇治茶ですね」
秀吉は見事正解し、この勝負は彼の勝ちとなった。
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タカコ(プロフ) - 嬉しいです！楽しみにしてます！ (2022年10月6日 11時) (
レス) id: e1a7229537 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - タカコさん» 旗印戦のあれこれは本編にねじ込む予定です。馴れ初めは番外編に入れてもいいかもしれませんね！ ご意見ありがとうございます！ 近日中に出す続編でも番外編について触れてみようと思います！ (2022年10月6日 11時) (レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
タカコ(プロフ) - はい、最終回後の話やドラマでは無かったオリジナルの旗印戦、加藤くんと夢主ちゃんの馴れ初めなんかを読んでみたいです(*≧∀≦*) (2022年10月6日 8時) (レス) id: e1a7229537 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - タカコさん» コメントありがとうございます！ 今のところ考えてはいませんが、こういうシチュエーションが見たい！ という希望が多く集まればやる可能性もあるとは思います。最終回より後の話を番外編にするのもアリですね🤔 (2022年10月6日 2時) (レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
タカコ(プロフ) - Chiharuさん、一つ質問します。この小説の番外編って作る予定は無いですか？ (2022年10月5日 23時) (レス) id: 3e1c504208 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Chiharu | 作成日時：2022年9月25日 5時
