32話 ページ34
「3分！？」
「ランキング1位の武田君を？」
「それでは旗印戦、開始」
法螺貝の音が響く。本当に3分であの武田を倒すつもりなのだろう。
「だ、大丈夫でしょうか……」
「来い、ゴミが」
全員立ち上がり、家康と武田、2人の周りに集まる。加藤は念の為、馨を自身の後ろに下がらせた。
睨み合い、そして──────────────
「ぁ……」
勝負は一瞬だった。気付けば武田が血まみれで倒れていた。
「まさかあの武田が、こんな負け方をするとは……」
「家康……何者なんや……？」
「バケモノ」
「次元が違いすぎる……」
誰も、その場から動かないほど、今回の旗印戦は衝撃的すぎた。
「い、ま……なにが…………」
震えながら加藤の服の裾を握り呟く。本当に何が起こったのかもわからなかった。この時馨は悟る、未知ほど怖いものはないと。今まで家康を苦手、怖いと思っていた理由はこれだったのだ。
やがて家康は教室を出て行き……
「ゴミを一つ、始末したぜ」
それはまるで信長に言っているようにも聞こえた。
「武田様！！」
始末、という言葉が聞こえた馨は顔を真っ青にさせながら倒れたままピクリとも動かない武田の元に駆け寄った。
「武田様、しっかりしてくださいませ！！ 死んではだめです！」
「馨ちゃん、大丈夫。武田は死んでないよ」
「え……？ あ、本当ですわ…………でも重症に違いはありません！ どなたか救急車を呼んでくださいませ！」
「私が呼びますわ！」
「ありがとうございます！」
テキパキと動くみやびと馨にハッとして、皆それぞれ動き出す。
「保健室の……艶本先生呼んで……」
「いえ、それでしたら運んだ方が早いですわ。救急車が来るまで艶本様に処置を施していただけます」
「それじゃあ僕が運ぶよ」
「お願いします……！」
こうして武田は救急車で運ばれていった。
「今日は本当に、色々な事がありましたわね…………」
「ああ」
「心臓がいくらあって……あ」
「？ どうし……うわ」
校門に向かう加藤と馨の前に、スーツを着た男が立ちはだかる。彼を見た瞬間、馨は嫌そうな顔をし加藤の後ろに隠れる。
「はあ、面倒な。おい小娘、私は仕事のついでにこれを渡しに来ただけだ」
「……そうですか」
男は投げつけるようにやや大きめの封筒を馨に渡し、ぶつぶつと文句を言いながら去って行った。
封筒の中身を確認した馨は大きなため息を吐いた。
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タカコ(プロフ) - 嬉しいです！楽しみにしてます！ (2022年10月6日 11時) (
レス) id: e1a7229537 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - タカコさん» 旗印戦のあれこれは本編にねじ込む予定です。馴れ初めは番外編に入れてもいいかもしれませんね！ ご意見ありがとうございます！ 近日中に出す続編でも番外編について触れてみようと思います！ (2022年10月6日 11時) (レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
タカコ(プロフ) - はい、最終回後の話やドラマでは無かったオリジナルの旗印戦、加藤くんと夢主ちゃんの馴れ初めなんかを読んでみたいです(*≧∀≦*) (2022年10月6日 8時) (レス) id: e1a7229537 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - タカコさん» コメントありがとうございます！ 今のところ考えてはいませんが、こういうシチュエーションが見たい！ という希望が多く集まればやる可能性もあるとは思います。最終回より後の話を番外編にするのもアリですね🤔 (2022年10月6日 2時) (レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
タカコ(プロフ) - Chiharuさん、一つ質問します。この小説の番外編って作る予定は無いですか？ (2022年10月5日 23時) (レス) id: 3e1c504208 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Chiharu | 作成日時：2022年9月25日 5時
