106話 ページ8
「今度は真っ赤！ ほんとに大丈夫！？」
戻って早々、お茶子ちゃんに心配をかけた。そりゃさっきまで顔真っ青だったのが急に真っ赤になれば驚きもするよね。
「ん、大丈夫だよ！ 心配かけてごめんね、次は何したらいい！？」
「しんどかったら言うんやよ？ じゃあこれお願いしよかな」
「ん、おっけー」
頼まれた事をこなそうとしたら、お茶子ちゃんがぼそりと
「轟君絡みやな」
なんて言うのが聞こえたもんだから、危うく包丁を落としかけた。女子のカン、恐るべし。
疲労困憊の21人+元気なエルキドゥの22人。思ったよりもスムーズに進み、あとは火を付けるだけとなった。私の体調というか意識も安定したため、炎を出す係に回った(焦凍くんには劣るけど、少しの炎なら出せる)。
「轟ー！ こっちも火ィちょーだい」
「爆豪！ 爆発で火ィつけれね？」
「つけれるわクソが！！」
「ええ……！？」
いや破壊してるし何ならやった本人もちょっと引いてるじゃん。エルキドゥ爆笑してるし。拗ねて(？)どっか行く爆豪君を見ながら違う所に火を起こしていった。
「皆さん！ 人の手を煩わせてばかりでは火の起こし方も学べませんよ！」
「て言ってチャッカマン出してるの好きだ」
ヤオモモちゃんにしかできないよね、それ。無人島に
「いや、いいよ」
「わー！ ありがとー！！ 燃えろー！ 燃やし尽くせー！」
「尽くしたらあかんよ」
飯盒の下の木材に焦凍くんが火を付けてくれた。その火を見ながら随分と優しい顔をした。それはそれは、体育祭の時と同一人物か疑いたくなるほどに。
カレーを作り終えるころにはもう既に日が暮れていた。いただきますの合唱をした後にようやく食べ始める。
美味しい……！！ 滅茶苦茶お腹すいてるときに疲れながらも頑張って作ったから、とても美味しい。食べる手が止まらない。
「店とかで出たら微妙かもしれねーけどこの状況も相まってうめー！！！」
「言うな言うなヤボだな！！」
「ヤオモモがっつくねー！！」
「ええ、私の【個性】は脂質を様々な原子に変換して創造するので、沢山蓄える程沢山出せるのです」
「うんこみてえ」
その言葉に傷ついたヤオモモちゃん。じろちゃんが瀬呂君を殴り飛ばして謝らせてた。
今のは瀬呂君が悪いわ、最低。
「瀬呂くーん、次変な事言ったら……わかってるよね？」
「二度と言いません！！」
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作者名：Chiharu | 作成日時：2021年8月23日 2時
