136話 ページ38
トリということもあって、みんなわっくわくだったんだけど……
「それが……私見当違いをしてしまいまして……皆さんの創意あふれるお部屋と比べて、少々手狭になってしまいましたの」
「わお」
驚くのも無理はない。ヤオモモちゃんの部屋がとてつもない事になっていたのだから。少々とかいうレベルかこれ。
お姫様が寝てそうな大きなベッド。お嬢様みたいだとは思ってたけど、まさか本当にお嬢様だったとは……予想外です。
いや、部屋が実家のクローゼットと同じくらいって言った時点で察しはついてたね。
そうしてお部屋披露は終了し、共同スペースで投票が行われた。自分にはなし、というルールがあるけど。エルキドゥとロビンにも投票権利が与えられ、楽しそうに投票していた。
「それでは！ 爆豪と梅雨ちゃんを除いた第一回部屋王断定一位の……発表です！ 投票数7票！ 圧倒的独走単独首位を叩き出したその部屋は───────────────砂藤力道───！！！」
いや多いな。みんなも驚いてる。21人中7票って相当だと思うんだけど。
「ちなみに全て女子(？)票！ 理由は『ケーキ美味しかった』だそうです」
「「部屋は！？」」
うちのロビンも思わず突っ込むレベルの理由。みんな同意見なの面白すぎるけど、それだけ美味しかったんだよねぇ。
「てか！ 女子6人だろ！？ 7ってなんだよ7って！」
「あぁ、それ。エルキドゥの分も入ってるんだけど、性別わかんないから女子票に組み込んどいたの」
あれ？ あ、そうか。補修組は知らないのか。
「エルキドゥに性別はないから、ある意味正しいのかもね。ていうか、こうなる事わかってたでしょ」
「まぁね、面白そうだったのは事実だけど、力道のケーキが美味しかったのもあるよ。ねぇ、今度バターケーキを作ってよ」
ウルクのだ！ いいな、そしたら私ももらおっかな。
「お、おう！ 嬉しいなー、なんか！」
にこにこ笑ってる二人を見ながら、補修組はぽかんと口を開けている。んふ、みんなもそんな顔してたっけか。懐かしい。
「マスター」
「ん、もうそんな時間か。じゃあ焦凍くん、みんなおやすみ……！」
早くしなければ今日の分のログボが……！
そんなこんなで第1回の部屋王は砂藤君で決まりとなった。
私は部屋でソファーにダメにされながらゲームしてたよ。そういえば、焦凍くん達お茶子ちゃんに呼び出しされてたけど、どうしたんだろ。
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作者名：Chiharu | 作成日時：2021年8月23日 2時
